なぜ、お台場は港区・江東区・品川区が入り混じっているのか?

お台場とは?

お台場は、港区台場、品川区東八潮、江東区青梅のうち青梅南ふ頭公園の以北からなるエリアをいいます。そのため、港区・品川区・江東区の3区が混在していることになります。

お台場の歴史は、幕末、ペリーの黒船来航に備え、設置した海上砲台から始まります。当時は、品川区台場と呼ばれていました。8つの台場ができ、その後第3、第6台場以外は消滅しました。現在は、台場公園として開放されている第3台場と、無人島化されている第6台場が残されています。

お台場は、当時「台場」と呼ばれていましたが、幕府に敬意を払って「御台場」と呼んだことに由来します。

なぜ、お台場は港区・江東区・品川区が入り混じっているのか?

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港区・江東区・品川区の区境はどこ!?

我々が、よくいうお台場とは13号埋立地のことです。13号埋立地は、港区・江東区・品川区の3区に分けられます。具体的には、上記の地図の通りです。

では、なぜお台場は港区・江東区・品川区に分割されているのでしょうか!?

お台場エリアが造成された当初は、港区・江東区・品川区・大田区・中央区が帰属をめぐって主張していました。その後、「従来の行政区域線を海側に伸ばし、その線内の地区は行政の管轄とする地先ルール」と「交通上の接続」を考慮して3区に絞られました。しかし、その後も決着がつかず、昭和57年1月に港区・江東区・品川区は自治紛争調停制度により、境界問題の早期解決を図ることになりました。

港区は、13号埋立地周辺の海域は古くから港区の区域である点、港区帰属の第3台場から陸続きとなっていること、港区が都民の廃棄物処理問題に貢献してきたこと、東京23区内で港区の人口・面積が不均衡であること、13号埋立地からの水上バス・都バスの発着地となっていることを主張しました。

江東区は、建設基地や工事材料の経由に寄与したこと、13号埋立地と歩道設置の橋・都バスで接続していること、上下水道・電力は江東区内の施設から供給していることを主張しました。

品川区は、13号埋立地周辺の海域は江戸時代以降、品川浦の海域であること、13号埋立地が品川区の陸上境界線の延長戦内にあること、13号埋立地と東京湾トンネルで接続をしていることを主張しました。

結果、港区・江東区・品川区の区境は、上記地図のように纏まったということです。

国内の領土問題

江東区vs大田区 中央防波堤の領土問題

中央防波堤埋立地は、江東区と大田区が帰属を主張しています。今回の記事である。お台場のさらに南に位置するエリアです。過去に記事を書いていますので、ご覧ください。

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