江東区vs大田区 中央防波堤の領土問題

中央防波堤とは?中央防波堤内側埋立地と中央防波堤外側埋立地

中央防波堤とは?

中央防波堤は、中央防波堤内側と中央防波堤外側の2区画に分けられます。東京都が1973年から埋めたて開始をしました。中央防波堤内側埋立地は、1996年に埋め立てが終わりましたが、中央防波堤外側埋立地は、2021年まで埋め立てが続く予定です。

なお、中央防波堤埋立地の住所は、内側・外側共に未定です。現在は、暫定的に「江東区青梅三丁目先」と表記されています。

中央防波堤内側埋立地

中央防波堤内側埋立地(ちゅうおうぼうはていうちがわうめたてち)とは、東京湾内に位置する埋立地です。下記の図にあります赤枠の部分になります。

交通手段としては、第二トンネルによって江東区青梅、中央防波堤外側埋立地を介して臨海トンネルによって大田区城南島、中央防波堤外側埋立地を介して東京ゲートブリッジによって江東区若洲に結ばれています。トンネル、橋ともに歩行者通行不可です。

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中央防波堤外側埋立地

中央防波堤外側埋立地(ちゅうおうぼうはていそとちがわうめたてち)とは、東京湾内に位置する埋立地です。下記の図にあります赤枠の部分になります。

交通手段としては、臨海トンネルで大田区城南島、東京ゲートブリッジで江東区若洲に結ばれています。

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江東区vs大田区 お互いの主張について

中央防波堤埋立地は、当初「港区」「中央区」「江東区」「大田区」「品川区」が帰属を主張していましたが、現在は江東区と大田区が帰属を主張しています。

江東区は、「東京都から出るゴミの収集車はほとんどが江東区を通って埋立地に向かうため、周辺住民は長期にわたって悪臭やハエの大量発生や騒音に悩まされてきました。区民の犠牲の上に造成された埋立地であるから経済的メリットを享受する権利は江東区にある」と主張しています。

大田区は、「中央防波堤付近はかつてのり養殖場であり、ほとんどを大田区の漁業組合が運営していた。埋め立てのために泣く泣く放棄をしており、中央防波堤とは、社会的、経済的に密接な関係があるため大田区の帰属がふさわしい」と主張しています。

そして、ここにきて江東区と大田区の争いが激化している。中央防波堤内側と外側の間の水路に建築されている「海の森水上競技場」は、2020年東京オリンピックで使用され、大会後も取り壊されないため、2020年までに住所が決まれば、編入した自治体は「ボートとカヌーの聖地」としてアピールできることになります。江東区、大田区はともに同じ考えを持っているようです。そのため、調停での決着のため、2017年7月18日にそろって都に申請をしました。

いつ、どういった結果になるのでしょうか!?

領土問題と不動産の境界問題

領土問題は、国対国だけでなく、中央防波堤などの自治体単位でも存在します。過去の話だとお台場(東京湾13号埋立地)も完成当時は、どの区にも帰属していなかったですが、調停を申請した結果、北部は港区、西部は品川区、南部は江東区に帰属が決定したということがあります。

マクロでみると、国対国の領土問題、少しミクロの話になると、今回のように区対区の自治体単位の領土問題、最もミクロでの話になると単体の不動産でいう隣地との問題になります。こういった問題は、マクロの問題であれ、ミクロの問題であれ、なかなか進まないことも多々あります。落としどころという考えも必要かもしれません。