旧サンストリート跡地の過去と今

【まとめ】1分でわかるサンストリート跡地の歴史

本日は、サンストリート亀戸の歴史について見ていきたいと思います。

  • 【1937年】:第二精工舎本社・亀戸工場を建築
  • 【1997年】:サンストリート亀戸が開業
  • 【2004年】:アジアパシフィックランドが商業施設を取得
  • 【2014年】:サンストリート亀戸閉館
  • 【2017年】:野村不動産が土地を取得
  • 【2022年】:メイドクロック開業、プラウドタワー亀戸クロス完成

旧サンストリート跡地の「過去」

精工舎本社・亀戸工場 ~時計のSEIKO~

国土地理院より

SEIKOブランドで有名な腕時計の会社が精工舎です。元は、1881年(明治14年)に服部金太郎が輸入時計を販売する服部時計店を創業。1892年(明治25年)に時計工場である精工舎を設立し、国産時計の製造を始めます。1937年(昭和12年)に精工舎の懐中時計・腕時計部門が独立し、第二精工舎となります。

1986年(昭和61年)の第二次東京都長期計画で本地区を含む錦糸町・亀戸地区が副都心の1つに位置付けられます。これを機に本社移転を検討し、亀戸の本社工場を有効利用の検討をはじめます。1993年(平成5年)に本社を東京都江東区亀戸から千葉市美浜区に移します。

この時、セイコーはオフィス・商業施設の36階建てツインタワーを計画していましたが、バブル崩壊とともに、この案は凍結となります。セイコーが出した結論は、土地は売却しないが、15年間の中期利用を前提の有効活用にシフトし、低層店舗「サンストリート亀戸」を開発する方針となります。

副都心
  • 1958年(昭和33年):「新宿」「渋谷」「池袋」
  • 1982年(昭和57年):「上野・浅草」「錦糸町・亀戸」「大崎」
  • 1986年(昭和61年):「臨海」

ランブリングマーケット「サンストリート亀戸」

APLHPより

1997年(平成9年)11月、賑わい施設サンストリートは開業します。サンストリート亀戸(SUN STREET KAMEIDO)は別名「ランブリングマーケット(RAMBLING MARKET)」で、主なテナントは、トイザらス、キムラヤ、無印良品、TSUTAYA等が入居していました。

また、サンストリート亀戸には、マーケット広場があります。土日にお笑いショーやライブなどが行われていましたが、平日夕方にもサンストライブがありました。つまり、ほぼ毎日ライブがあるということです。サンストライブで最も有名なのがPerfume(Perfumeの聖地)で、ファンがたくさんつき、メジャーデビューしたこともあり、サントスは歌手やアイドルの登竜門と言われるようになります。

1年目の年間来場者数は、約1000万人、売り上げは約180億円。

外資アジアパシフィックランドの登場!!

2004年アジア・パシフィック・ランド(Asia Pacific Land「以下(APL)という」)は、サンストリート亀戸を取得しました。

APLは、香港で設立されアジアで不動産投資、不動産開発、アセットマネジメントを手掛ける不動産業者です。香港の企業になるため、外資ということになります。オフィス、商業施設、ホテル、レジデンス、再生可能エネルギー(太陽光)と多種のアセットに投資しています。

APL「投資実績」より

1997年築、土地約3.8ヘクタール、54のテナントからなる商業施設を2004年Seikoインスツルから取得。APLは戦略的なマネジメントによって施設のオペレーションおよびキャッシュフローを大幅に改善します。商業施設としては2014年3月に閉館。土地の有効利用実現のために東京都および江東区との行政協議を経て、2017年12月に大手デベロッパーに売却。

APLはサンストリート亀戸が閉鎖した後の有効活用として、当初商業施設5階建て、集合住宅地上60階建て、約2000戸のツインタワーを計画していた。ツインタワーは、かつてセイコー社も検討していたことがあった。

しかし、行政と折衝している間にいくつかの問題も浮上します。一つが、急激に子供の人口が増えることによる保育園・幼稚園・小学校の収容対策に問題です。当初、ファミリー向け物件を減らしたり、高齢者向け物件を取り入れたり、一部ホテルへ変更など小学校難民が発生しない対策を行政から打診されています。その他に以下の要望もあったようです。

  • 亀戸駅東口の整備(バリヤフリー化)
  • 防犯、防災機能が強化できる開発計画
  • 地元貢献施設(交流・集会施設)の計画地内の導入
  • 小学校・保育園への児童収容問題についての対策
  • 多様な世代が住まえる住居と、高齢者のための有料老人ホーム  

デベロッパーは野村不動産で決定!!

2017年12月APLから野村不動産が本物件を取得しました。APLは、2004年にサンストリートを購入してから開発前にエグジット(出口)を迎えることを想定していたのでしょうか!?それとも行政との折衝が自分たちの描くプラン通りに進まなかったからエグジットしたのか!?それはわかりません。ただ、APLは容積率を有効利用していない商業施設のキャッシュフローを改善し、土地を売却したということは、結果利益をだして出口を迎えられたのではないかと思われます。

野村不動産が購入後、計画は住宅棟800戸、6階建ての商業施設・賑わい施設、保育園と大きく変更されました。

行政の要望との整合性
  • 亀戸駅東口の整備⇒野村不動産が賃貸マンション建設(東口が少しきれいになる!?)
  • 防犯、防災機能が強化できる計画⇒防災倉庫、商業一体のコージェネレーションシステム
  • 地元貢献施設(交流・集会施設)⇒住宅棟4階にまちのリビングを設置
  • 小学校への児童収容問題⇒住宅棟2階・3階に保育園、敷地内南東側に第二亀戸小学校増築

旧サンストリート跡地の「今」

旧サンストリート跡地は、野村不動産の開発によって、商業施設(カメイドクロック)、住宅(プラウドタワー亀戸クロス)、小学校(第二亀戸小学校増築棟)が開発されています。

【商業施設】カメイドクロック(KAMEIDO CLOCK)

  • 所在地:東京都江東区亀戸6丁目31番6号
  • 延床面積:約58,000㎡
  • 店舗数:136店舗
  • 駐車場:約300台、駐輪場約1200台
  • 全館営業時間:10時~21時
  • 問い合わせ窓口:03-5875-4460

カメイドクロックは、2022年4月28日に開業しました。通称カメクロ。カメクロは「この地の記憶を紡ぎ、みんなが集まり、みんなの日々を、亀戸の記憶を刻む場所」という意味合いがあるようです。精工舎跡地であったこともあり、名称にその思いが詰まっているということでしょう。

カメクロは、地下1階に大型スーパーライフと生鮮三品・食物販の専門店が集う「カメクロマルシェ」、1階に下町ならではの飲食街「カメクロ横丁」、4階座席数540席のフードコートとキッズパークを兼ね備えた「アソビバ!フードパーク!」、eスポーツプロジェクト「カメスポ」等が造られています。

2022年のGW期間は、オープンした直後ということもあり凄い混雑です。店舗もメジャーな店舗からこだわりの店舗まだ幅広く揃っているため、期待以上ですね。

【住宅】プラウドタワー亀戸クロス

  • 住所:東京都江東区亀戸六丁目31番1他(地番)
  • 交通:JR総武線「亀戸」駅 徒歩2分
  • 土地面積:22,989.26㎡
  • 構造・規模:鉄筋コンクリート地上25階地下2階建て
  • 建物竣工:2022年1月竣工
  • 総戸数:934戸
  • 駐車場:252台、駐輪場1604台
  • 売主:野村不動産株式会社、三菱地所レジデンス株式会社

プラウドタワー亀戸クロスの名称で”クロス”とはどういう意味がこめられているのでしょうか。

クロスとは、ズバリ!「Crossover」のクロスです…!!

「Crossover」とは、異なる要素が組み合わさって新たな価値が生み出されること。

「歴史と伝統のある下町エリア×先進のタワーレジデンス」

「タワーレジデンス×新設ショッピングモール×教育施設」

「様々な家族構成、性別、年齢、人種の方々が楽しむことができ、交流できる街」…

あらゆる価値が交わり、新たな魅力が生まれる街になるよう、「プラウドタワー亀戸“クロス”」と名付けられました。

~プラウドタワー亀戸クロス建築レポートより~

【過去と今】亀戸周辺の不動産価格水準について

路線価水準

カメイドクロック及びプラウドタワー亀戸クロスが位置する江東区亀戸6丁目31番街区の京葉道路沿いの路線価はどのように水準していっているのでしょうか。見てみましょう。

年度価格(円/㎡)価格(円/坪)
平成18年度480,000円/㎡1,580,000円/坪
平成19年度580,000円/㎡1,910,000円/坪
平成20年度700,000円/㎡2,310,000円/坪
平成21年度660,000円/㎡2,180,000円/坪
平成22年度610,000円/㎡2,010,000円/坪
平成23年度600,000円/㎡1,980,000円/坪
平成24年度590,000円/㎡1,950,000円/坪
平成25年度590,000円円/㎡1,950,000円/坪
平成26年度610,000円/㎡2,010,000円/坪
平成27年度630,000円/㎡2,080,000円/坪
平成28年度640,000円/㎡2,110,000円/坪
平成29年度660,000円/㎡2,180,000円/坪
平成30年度680,000円/㎡2,240,000円/坪
令和元年度750,000円/㎡2,470,000円/坪
令和2年度840,000円/㎡2,770,000円/坪
令和3年度840,000円/㎡2,770,000円/坪

平成20年まで不動産ミニバブルもあり、路線価は上昇していっています。その後、リーマンショックで土地価格は下落トレンドに転換しますが、平成24年~平成25年度に底固めし、再び上昇局面に入っています。ここで事実としてわかることは、直近の令和2年~令和3年度の価格はリーマンショック前の高値を超えているということです。

新築マンション価格水準

ここでは、新築マンションの価格水準について考えてみたいと思います。過去の新築マンションの金額等を調べていくと、亀戸周辺の新築マンションの相場は、ファミリータイプに限ってみると、今から10年くらい前で、おそらく坪単価200万円前半~250万円程度です。直近不動産価格が高騰していることもあり、坪300万円前後が主流になっている中、プラウドタワー亀戸クロスは、坪単価350万円前後となっています。

現在、土地価格高騰と建築費高騰によって新築マンションは常に新価格となっています。また、売出価格の参考値は、周辺の新築マンション相場以外に、隣駅にあるブリリアタワー東京の中古価格を参考にしている可能性もあると思います。築15年を越える中古マンションですが、城東エリアの総武線沿線、駅NO1物件、商業施設一体開発と似た条件がそろっているためです。

さてプラウドタワー亀戸クロスの新築時の価格は適正価格なのか、これからまだ上昇していくのか、今後のマーケットを注視したいと思います。

出典:国土交通省特色ある暫定利用事例、プラウドタワー亀戸クロス建築状況レポート、カメイドタートルズ、白岩忠雄ブログ、wikipediaより