現実の不動産vsメタバースの不動産

NFTとメタバース

最近、仮想空間で不動産を買ったり、不動産を貸したり出来ると聞くようになりました。通常のゲームだとお金持ちになっても、ゲーム内の話でおしまいです。しかし、今は仮想空間で稼いだお金は仮想通貨を使って現実世界に持ち帰ることができるのです。

本日は、メタバースの不動産の入り口の話をします。

NFTとは?

NFTは英語で「Non Fungible Token(ノンファンジブルトークン)」です。日本語に訳すと非代替性トークンですが、ざっくり分かりやすく考えると「代えがきかない唯一のデジタル資産です」

現実世界で考えた場合、私の1000円とあなたの1000円は基本的には一緒ですよね。でも、私の洋服とあなたの洋服は一緒ではないですよね。固有のもので代えがきかないものです。

デジタルの世界で考えた場合、私の1BTCとあなたの1BTCは一緒ですね。そして、デジタル上で代えがきかない所有物、それがNFTです。

本日はNFTの中で、不動産の話をしていきたいと思います。デジタルのものを所有する時代がきたということですね。

NFTのことを知りたいという方は、下記のNFTの教科書という本がおすすめです。

メタバースとは?

メタバースとは、インターネット上に作られた仮想空間のことをいいます。

言葉の語源は、SF作家・ニール・スティーヴンスンのスノウ・クラッシュという作品の中で登場するインターネット上の仮想世界のことをいいます。meta(メタ) universe(ユニバース)の合成語です。

メタバースを理解したいという人は映画もおすすめです。「マトリックス」「レディ・プレイヤー1」「インセプション」などを見るとメタバース、仮想空間のイメージが湧いてきます。

facebookがメタに社名変更した理由は?

フェイスブック(Facebook)社のマーク・ザッカーバーグ氏は2021年7月メタバースの時代が到来することを唱え、この先5年で自社がSNSを中核とする企業からメタバース企業へ移行すると発表しました。そして、2021年10月社名をメタ(meta)に変更すると発表しました。

2021年8月、フェイスブックはHorizon Workroomsというビジネス会議用VRソフトを開発しています。Workroomsでは、仮想会議室に参加者の分身であるアバターたちが会し、コミュニケーションをはかれます。メタバースの理想像とは異なるものの、取り組みとしてのスピード感がうかがえました。

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メタバース3選

The Sand Box(ザ・サンドボックス)

THE SANDBOX 公式HPより

The Sandboxは、メタバースと呼ばれる仮想空間内でキャラクターを操作して遊ぶゲームです。ゲームをやっていた方でのイメージはマインクラフトですね。

続いて、The Sandbox内で通貨として使用されている「SAND」という通貨について説明します。

通貨名SAND
シンボルSAND
価格約630円
時価総額約5695億円
仮想通貨時価総額ランキング41位
2001年11月23日現在

The Sandboxは遊んで楽しむ以外にも、お金を稼ぐことができます。現実世界のゲーム(例えば桃鉄)ではいくら稼いでもお金は現実世界に持って帰れません。しかし、メタバース上で稼いだお金は仮想通貨で現実世界に持ってくることができます。

The Sandboxで稼ぐことの一つは、不動産です。具体的には、The Sandboxで購入したLANDで転売益を得ることもできますし、貸し出し不動産収入を得ることもできます。

具体的な話を1つします。2021年4月コインチェックNFTで約16万円で33区画のLANDが販売され即日完売になりました。2021年11月時点で約150万円程度で売れた事例を見ました。区画が違うと思いますが、今年のマーケットではいずれにしても転売益がかなり出ているでしょう。メタバース上の土地価格はすでに高いです。

ちなみに、サンドボックス内にはアディダスの土地が登場しています。

Decentraland(ディセントラランド)

Decentraland 公式HPより

Decentralandにおいてユーザーは、広大なVR空間を探索したりゲームで遊んだりすることができます。通常のVRゲームと違うことは、Decentralandはブロックチェーン技術を活用することによって、VR空間内の土地や建物、アバターなどあらゆるものがNFTでつくられていることです。

続いて、Decentraland内で使用されている「MANA」という通貨について説明します。

通貨MANA(マナ)
シンボルMANA
価格約485円
時価総額約8744億円
仮想通貨時価総額ランキング27位
2001年11月23日現在

続いて、Decentralandと提携している主な企業を見てみましょう。

Decentralandと提携している主な企業
  • サザビーズ(ロンドン発祥の世界最古の国際競売会社)ボルテール・アート地区にオンラインギャラリーがオープンしています。
  • Atari(アメリカの老舗ゲーム開発企業)Decentraland上で、バーチャルカジノをオープン予定。
  • アソビシステム株式会社(きゃりーぱみゅぱみゅなど要する芸能プロダクション)Decentraland上に「メタトーキョー(MetaTokyo)」をつくり、NFTを活用した日本からのデジタル文化の提供をおこなう予定。

BLOK TOPIA(ブロックトピア)

BLOKTOPIA 公式HPより

BLOKTOPIAは、メタバース上での経済活動を実現させようとしているプロジェクトの一つで、21階建てのVR超高層ビルです。サイモン・ベンシンさんというプレイステーションVRの創設者がこのプロジェクトに関わっています。

続いて、BLOKTOPIA内で使用されている「Blok」という通貨について説明します。

通貨Blok
シンボルBlok
価格約12円
時価総額約1060億円
仮想通貨時価総額ランキング223位
2001年11月23日現在
BLOKTOPIA 公式HPより

上記は、まもなく販売が開始される不動産の情報です。LEVEL1は1階ですね。これが21階まであるわけです。高い。。。

BLOKTOPIA 公式HPより

商業地にあるような、電光掲示板型の広告を出すこともできます。逆に不動産の所有者は広告収益がもらえます。

現実の不動産vsメタバースの不動産の比較

私はアナログ不動産プレイヤーですので、メタバース上の不動産に抵抗があります。ただ、近い将来的には「現実の不動産」と「メタバースの不動産」がどっちが儲かるのと比較されるようになるでしょう。

今回は、現時点で私が考えられる現実の不動産とメタバース不動産のメリット・デメリットを比較して見たいと思います。

  現実の不動産 メタバース不動産
収入

日本円で収入を受取る。通貨としては安定

仮想通貨で受取る。乱高下のリスクあり
修繕費 現物不動産は修繕費がかかる おそらくかからない
保険料 火災保険・地震保険料がかかる おそらくかからない
固定資産税 固定資産税・都市計画税がかかる 国が管理しないため、かからない

メリットとしては、メタバースの不動産では固定資産税がかかりません。国が管理していないため当たり前ですが、この点は大きいと思います。現実の不動産ではローンを使わず自己資金で購入したとしても固定資産税の支払いが生じ、固定資産税を支払わなければ不動産は差押えられてしまいます。固定費が少ないのはメリットと言えるでしょう。

デメリットとしては、メタバース上では仮想通貨を受け取るので、現実世界での法定通貨に変えるまでに仮想通貨の価格が乱高下するリスクはあるでしょう。

ビットコイナーのKoji Higashi氏も注目しています。今後は、現実の不動産とメタバースの不動産が比較されるでしょう。

メタバースの不動産リスク

流動性リスクについて

最後に流動性リスクについてです。これは、メタバース上の不動産だから流動性リスクがあるというわけではなく、不動産そのものに流動性リスクがあります。

仮想通貨はFT(代えがきくデジタル資産)です。メタバース上の不動産はNFT(代えがきかない唯一のデジタル資産)です。

仮想通貨は、売りたい時にある程度は売ることは出来ます。対してメタバース上の不動産は、瞬時に売ることは出来ないでしょう。不動産という流動性が低い商品は、メタバース上の不動産になっても、通貨と比較すると流動性が低いというわけです。

メタバース空間のサービス終了について

今回は、「The Sandbox」「Decentraland」「BLOKTOPIA」を紹介しましたが、こういったメタバース(仮想空間)サービスが終了してしまうこともありえるでしょう。現時点でどのサービスが残るかということは、全くわかりません。こういったリスクは、現実の不動産ではありませんが、メタバース上の不動産では、考えておく必要があります。

また、上記3つのサービスのうち全て生き残ったとしても、大きく優劣が付くことも考えられます。その優劣が付く時に流動性の低い、メタバース上の不動産を素早く売却することができるか、よく考えて投資すべきでしょう。