【最低敷地面積】従前から規制値に満たない土地についての適用除外

最低敷地面積とは?

最低敷地面積とは、正式には敷地面積の最低限度です。建物を建築する際の敷地面積の最低限必要な面積を定めたものです。最低敷地面積の定めがある場合、分筆等により最低敷地面積未満となった土地には、建物を建築することができません。なぜ、最低敷地面積というものがあるかと言うと、敷地の細分化を防止して、現在の居住水準を維持し、良好な住環境を保全・形成していくことを目的としています。

最低敷地面積は、その地域ごとに定められています。例えば、75㎡・80㎡・100㎡・120㎡など地域ごとでバラバラです。敷地面積の最低限度の最大でも200㎡とされています。(建築基準法第53条2項2号)

最低敷地面積の適用除外

建築基準法第53条2項 適用除外

建築物の敷地面積

第五十三条の二 建築物の敷地面積は、用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の敷地については、この限りでない。

  前条第六項第一号に掲げる建築物

  公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なもの

  その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であつて、特定行政庁が市街地の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの

  特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの

 前項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度を定める場合においては、その最低限度は、二百平方メートルを超えてはならない。

 第一項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められ、又は変更された際、現に建築物の敷地として使用されている土地で同項の規定に適合しないもの又は現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合しないこととなる土地について、その全部を一の敷地として使用する場合においては、同項の規定は、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当する土地については、この限りでない。

  第一項の都市計画における建築物の敷地面積の最低限度が変更された際、建築物の敷地面積の最低限度に関する従前の制限に違反していた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該制限に違反することとなつた土地

  第一項の規定に適合するに至つた建築物の敷地又は所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば同項の規定に適合するに至つた土地

 第四十四条第二項の規定は、第一項第三号又は第四号の規定による許可をする場合に準用する。

①従前から規制値に満たない土地についての適用除外

中野区のケースを考えてみる(中野区HPより)

代表的な適用除外の一つ目です。従前から規制値に満たない土地です。今回の本題です。(建築基準法53条第2項3号)

例えば、左上の図は、敷地面積の最低限度が平成20年に定められたとします。平成20年以前から土地面積が55㎡の土地(既に建築物の敷地として使用されている場合)は、どうしようもありませんから適用除外ということになります。右上の図は、平成20年の時点で土地面積が55㎡の土地(ただし、建物はないが建物を建てると最低敷地未満になる場合)についても同様に適用除外ということになります。よく考えてみるとこの場合も適用されてしまうと、いままで建物を建てられていた土地が、突如建物が建てられなくなり、価値の極めて低い物件となってしまいます。

最後に土地の分筆を行っている時期については、土地の登記簿謄本を確認しましょう。記載があります。

②公共事業の施行により規制値に満たなくなった土地の適用除外

中野区のケースを考えてみる(中野区HPより)

代表的な適用除外の2つ目です。公共事業の施行等により規制値に満たなくなった土地についてです。例えば、都市計画道路の道路拡幅で土地面積が減少し、最低敷地面積未満となった土地については、敷地面積の最低限度の規制適用場外となることが定められています。