長屋と共同住宅の違い

長屋と共同住宅の違い

長屋と共同住宅の違いはなんでしょうか。ふとイメージされるものとして、長屋はテラスハウス・タウンハウス、共同住宅は、アパート・マンションをイメージすることが多いと思いますが、具体的な違いは以下の通りです。

  • 長屋は、住居が2戸以上ある住宅で、共用部がなく直接住居に出入りできるものをいいます。
  • 共同住宅は、住居が2戸以上ある住宅で、共用部があり共用部を介して住居へ出入りするものといいます。

ここでいう共用部は「廊下」が最もわかりやすいでしょう。

続いて2つの法律から長屋と共同住宅の特徴の違いを見ていきます。建築基準法と消防法についてです。

一つ目は建築基準法です。長屋は建築基準法上の特殊建築物に該当しません。一方、共同住宅は建築基準法上の特殊建築物に該当します。特殊建築物は建築基準法第2条2項で定められていて、不特定多数の人が利用したり、周辺環境に影響を及ぼすと考えられる建物に防火や避難に関する規制が設けられています。

  1. 耐火性基準を満たすこと
  2. 建物定期報告を実施すること
  3. 消防設備の設置

長屋は、特殊建築物に該当しないので、上記3点の要件を満たす必要がないため、共同住宅に比べて規制が緩い点があります。

2つ目は消防法です。上記の触れましたが、長屋は特殊建築物に該当しませんので、住宅用火災報知器以外の消防設備を設置する必要がないということになります。そのため、消防点検に関しても実施する義務がありません。

長屋と共同住宅は、登記はどうなる?

長屋と共同住宅、登記する時はどのようになるのでしょうか。この点は、登記の際の建物の種類は、長屋でも共同住宅でも登記上「共同住宅」となります。

長屋と共同住宅は、旗竿地の場合、条例に気をつけろ!!

最後に長屋と共同住宅で気を付けなければいけない点です。土地の形状が旗竿地の場合、条例で規制があります。具体的に東京都の場合、東京都建築安全条例を見ていきましょう。

第3条1:路地状敷地の形態
  • 第三条 建築物の敷地が路地状部分のみによつて道路(都市計画区域外の建築物の敷地にあつては、道とする。以下同じ。)に接する場合には、その敷地の路地状部分の幅員は、路地状部分の長さに応じて、次の表に掲げる幅員以上としなければならない。ただし、建築物の配置、用途及び構造、建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により知事が安全上支障がないと認める場合は、この限りでない。
第5条1:長屋の主要な出入口と道路との関係等

長屋の各戸の主要な出入口は、道路に面して設けなければならない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

一 その出入口の前面に、幅員三メートル(出入口が道路に面しない住戸の床面積の合計が三百平方メートル以下(当該住戸がいずれも床面積四十平方メートルを超える場合は、四百平方メートル以下)で、かつ、当該住戸の数が十以下の場合は、二メートル)以上の通路で、道路に三十五メートル以内で避難上有効に通ずるものを設けた場合

二 その出入口の前面に、幅員四メートル以上の通路で、道路に避難上有効に通ずるものを設けた場合