もくじ
筆界特定制度とは?
筆界特定制度とは!?
筆界特定制度とは、新たに筆界を決めるものではなく、調査の上、登記された際に定められたもともとの過去の筆界を、筆界特定登記官が外部の専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、明らかにすることです。
筆界特定制度はいつから出来たのか?
筆界特定制度は、2006年(平成18年)に不動産登記法が改正されて、新しく導入されたのが筆界特定制度です。
一般的に土地又は土地建物を売却する場合、境界確定をしていないと売却することはできません。従って、不動産の売却にあたっては、確定測量をすることになりますが、隣接地とお互いの境界の主張が合わないことがあります。しかし、今までは境界の紛争に対して解決手段は裁判(境界確定訴訟)しかありませんでした。裁判は費用が高いだけでなく、結果が出るまでに数年かかります。
そのため、2006年に不動産登記法が改正され、迅速に解決するするために設けられたということです。
筆界特定の結果が出るまで、どれくらいの期間がかかるか?
東京都では、筆界特定の申請がされてから筆界特定登記官が筆界特定をするまでに通常要すべき期間を9か月としています。
ただし、この期間は標準的な期間であり、関係者の数や事案の複雑性・困難性により、この期間を超える場合があります。また、自治体(法務局)によってその期間は異なります。概ね半年~1年程度ですが、実際の期間はご自身で問い合わせてみましょう。
筆界特定の申請に必要な書類は?
筆界特定の申請に必要な書類は、下記のとおりです。
筆界特定申請書「法務局 申請書式より」 筆界特定申請書「法務局 申請書式より」
筆界特定の費用はどれくらいかかるか?
筆界特定の費用は、「測量費用」と「筆界特定申請手数料」がかかります。
測量費用については、土地の大きさ、隣接地の件数、官民が確定済か未確定かで費用が大幅に変わりますが、金額はミニマムで30万程度、土地が広く件数が多いと200万前後することもあります。なお、測量費用は申請後に予納しなければなりません。
続いて、筆界特定申請手数料についてです。最初に算定となる基礎の額を計算式で求めます。申請人の土地価格に相手方の土地価格を加えて2で割り、それに5%を乗じて得られた額が算定基礎額となります。ここで土地価格は固定資産課税台帳に登録された価格を使います。
なお,申請手数料は,収入印紙により納付する必要があります。
筆界特定と境界確定の違い
「筆界」「境界」という似た言葉がでてきますが、ここを理解するには「筆界」「所有権界」「境界」の3つの言葉を理解する必要があります。
- 筆界:公法上の境界を指す
- 所有権界:私法上の境界を指す
- 境界:土地の境い目の全般を指す
筆界と境界が一致しないケースもあります。これはトラブルの原因となります。また、別の機会に解説をしていきたいと思います。
筆界特定制度のデメリットとは?
筆界特定制度のデメリットは、筆界特定した後でも解決できない時は、境界確定訴訟になるということです。
境界確定訴訟とは、筆界特定の結果に合意してくれなかった時に、相手方が納得しない境界について裁判所で判断する訴訟です。また、筆界特定の立ち合い拒否時や法外な立会い料を請求された時でも、訴訟ができます。
筆界特定申請書のひな形は下記の通りです。