正直不動産 8巻 契約解除
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の8巻で出てくる契約解除についてです。
導入:はじめに
不動産売買契約を結んだ後、「やむを得ず契約を解除しなければならない」 というケースは珍しくありません。しかし、不動産売買契約の解除には 条件やルール があり、適切に手続きを進めないと 違約金や損害賠償 が発生する可能性もあります。
この記事では、不動産売買契約の解除について、主な理由や注意点を詳しく解説します。
契約解除の主な理由と方法
- 住宅ローン特約による解除(融資特約):住宅ローン特約とは、買主がローン審査に通らなかった場合に契約を無条件で解除できる特約 です。特約が適用されると、手付金は返還され、違約金も発生しません。期限までにローン承認が得られなかった場合、速やかに解除手続きを行うことが重要です。
- 契約不適合責任による解除:売買契約後に、「物件に契約内容と異なる瑕疵(欠陥)」 が発覚した場合、買主は売主に対して補修や損害賠償を請求できます。契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任) に基づき、重大な欠陥がある場合には契約を解除できることもあります。例:購入後に基礎の重大なひび割れや、雨漏りが発覚した場合。
- 手付解除(手付金放棄・倍返し):契約締結時に 「手付金」 を支払うのが一般的です。その手付金を利用して、一定の条件下で契約を解除する方法 があります。ただし、手付解除には期限が設定されている ため、契約内容を確認しておくことが重要です。
- 違約解除(違約金発生):一方的な都合で契約を解除した場合は 違約解除 となり、違約金が発生します。違約金の一般的な相場は 売買代金の10~20%が一般的です。
- 不可抗力による解除:災害や事故 により、契約締結後に物件の引渡しが不可能になった場合、契約を解除できるケースがあります。例えば、契約後に大地震で物件が倒壊した場合など。契約書に「天災時の契約解除条項」があるかを事前に確認しておくと安心。
契約解除時の注意点とリスク
✅ (1)契約解除の方法や期限を確認する:契約書に明記された解除の条件や期限を必ず確認 する。特に、手付解除やローン特約の適用期限を過ぎると違約金が発生する ため、早めの対応が重要。
✅ (2)契約解除による金銭的負担を把握する:違約解除になると、売買代金の10~20%の違約金 が発生することが多いため、慎重に判断する。手付解除の場合も、手付金の放棄や倍返しのリスク があることを理解しておく。
✅ (3)契約解除の際は書面で証拠を残す:口頭での契約解除はトラブルの元になるため、書面で正式に解除通知を送る ことが大切。「契約解除合意書」 を作成し、双方が署名・捺印することでトラブルを防ぐ。
まとめ
不動産売買契約の解除には、「ローン特約」「契約不適合責任」「手付解除」「違約解除」「不可抗力による解除」 など様々なケースがある。解除の方法によっては 違約金や手付金の放棄 が発生するため、契約内容を事前に確認し、慎重に判断することが重要。
トラブルを避けるためにも、不動産会社や専門家と相談しながら、適切な手続きを進めよう。