もくじ
【知っておこう】上水道の基礎知識
日本の水道普及率は98.1%
日本の水道普及率は、2020年(令和2年)現在98.1%となっています。ただ、終戦直後の1950年頃では普及率は26.2%しかなかったということです。1960年代になり、53.4%と過半数をこえ、1970年代で80.8%、1980年代で91.5%まで達することになります。
なお、国交省が発表している水道水が飲める地域は、アジアでは日本とアラブ首長国連邦の2か国、その他にはドイツ、オーストラリア、アイルランド、スウェーデン(ストックホルムのみ)、アイルランド、フィンランド、ニュージーランド、オーストラリア(シドニーのみ)、クロアチア、ストべニア、南アフリカ、モザンビーク、レソトの15か国です。
上水道の仕組み
上水道の仕組みとしては、雨や雪などから取水し、浄水施設で浄化(活性炭処理・沈殿処理・ろ過・消毒)してから一般家庭に配水されます。
上水道と下水道の違いは!?
上水道と下水道の違いを簡単に説明すると、綺麗な水として使うものなのか、使い終わった汚い水なのかです。自分の自宅で考えると分かりやすいですが、洗面所で蛇口をひねって出てくるのは綺麗な水として使う上水道で、使い終わって、シンクから下の配管へ流れていくのは下水となります。トイレやお風呂の使った水なども下水として流れていきます。
水道運営権が売却ってどういうこと
麻生太郎氏「日本の水道はすべて民営化します」
2013年4月。当時の麻生太郎副総理は、米国ワシントンにあるシンクタンク戦略国際問題研究所の席でこのように発言しました。
世界中ほとんんどの国では、プライベートの会社が水道を運営しておられますが、日本では自治省以外では、この水道を扱うことができません。しかし水道労金の回収が99.9%というようなシステムを持っている国は、日本の水道会社以外にありませんけれども、その水道は全て国営もしくは市営、町営でできていて、こういったものを全て・・・民営化します。
2013年4月シンクタンク戦略国際問題研究所 麻生太郎副総理の発言より
【海外の民営化事例】水道料金があがる!
海外での事例をみると、民営化後の水道料金は、ボリビアで2年で35%、南アフリカが4年で、オーストラリアで4年で200%、フランスは24年で265%、イギリスは25年で300%も上昇しているようです。
2000年から2015年の間に世界37か国235都市が、一度民営化した水道事業を再び公営に戻しています。これは、水道料金の高騰以外にも、劣悪な運営、過度な人員削減によるサービス低下などです。
「日本が売られる」堤未果より
【日本での民営化事例】2021年宮城県が水道運営権を10億円で売却
2021年12月、宮城県はメタウォーターなど計10社でつくる「みずむすびマネジメントみやぎ」に上下水道と工業用水の運営権を一括して売却する契約を結びました。全国発の事例で2022年4月からスタートです。
上下水道の施設は県が保有するため、売却したのはあくまでも運営権になります。不安視される要素は下記のようにあげられています。
- 水質
- 維持管理
- 水道料金の値上げ
- 災害時の対応
運営がうまくいくかどうかはわかりませんが、水道民営化の日本のモデルになるでしょうから注視すべきでしょう。