駐車場投資ってどういう方にお勧めでしょうか?
こういった疑問にお答えします。
もくじ
月極駐車場投資のメリット・デメリット
月極駐車場投資のメリット
- 初期投資が少ない
- 立地を問わないことが多い
- 転用、辞めることが比較的簡単
- 狭小地、変形地でも出来る
一つ目は、初期投資が少ないということです。建物がないため、初期投資が少なく始めることができます。また、月極駐車場でも時間貸し駐車場でも、アスファルトにするか、砂利にする程度の初期投資から始められます。そのため、借り入れ無しで数百万からスタートできるでしょう。
二つ目は、立地条件が広範囲であることがあります。通常、アパート・事務所・店舗ビルは駅から近い場所が向きます。駐車場は、駅から遠くても、住宅街エリアであれば月極駐車場のニーズはありますし、商業施設などの近くでもニーズはあります。また、建物が原則建てられない、市街化調整区域でも運営が可能です。
三つ目は、転用、辞めることが比較的簡単ということがあります。アパートなど賃貸借契約を結んだ場合、借地借家法により簡単に契約解除することが出来ません。立ち退きにもお金がかかります。駐車場は、借地借家法の適用外なので、簡単に利用者を立ち退かせることができます。つまり、将来多様な選択肢を残したまま、収入を得ることができます。
四つ目は、狭小地や変形地でも駐車場運営は出来ます。もちろんどんな狭小地でも変形地でもいいわけではありません。しかし、駐車場として上手く活用しやすい土地というのもあるのは事実です。
月極駐車場投資のデメリット
- 固定資産税が高い
- 収益性が低い
- 減価償却がない
- 相続税評価が高い
一つ目として、固定資産税が高いです。例えば、アパートやマンションの場合は、住宅用地の特例が適用され、固定資産税は最大1/6、都市計画税は最大1/3に評価額が減額されます。従って、駐車場投資は、土地の固定資産税が大きいということになります。
区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
小規模住宅用地(200㎡以下) | 評価額が1/6に減額 | 評価額が1/3に減額 |
一般住宅用地(200㎡超える部分) | 評価額が1/3に減額 | 評価額が2/3に減額 |
二つ目は、収益性が低いということです。月極駐車場も時間貸駐車場についても、土地は平面的にしか活用できていません。土地は、建物を建て縦に有効活用した時に、最も収益性が高くなるのが一般的です。
三つ目は、減価償却がないということです。不動産投資のメリットの一つである減価償却を駐車場は受けることが出来ません。駐車場は建物がないため、土地のみで運営していくためです。減価償却がないことを前提に頭に入れておきましょう。
四つ目は、相続税評価が高いということです。駐車場は、相続税評価において、自用地評価となります。貸宅地や貸家建付地による評価減は受けることが出来ません。
月極駐車場の平均投資利回り
まず、月極駐車場の賃料水準について見てみましょう。都心一等地の賃料は、1台あたり5万円前後、都内や政令指定都市でおおむね1万円~3万円程度。神奈川・千葉・埼玉で、5,000円~1万円程度、地方は5,000円程度でしょう。
次に投資利回りです。実質利回りベースで都心一等地で2%前後、都内や政令指定都市で3%~4%、神奈川・千葉・埼玉で4%~5%、地方では5%前後でしょう。
「土地建物(例えばアパート)」と「土地(駐車場)」の投資リスクの比較をしてみます。土地建物は、火災・地震・室内での自殺等のリスクがあります。土地は、こういったリスクはほぼありません。従って、土地は、不動産特有のリスクが少ないため、土地建物の利回りより低めに設定されるのが一般的です。
月極駐車場投資の注意点
- 実質利回りで考える
- 一定の要件を満たすと「届出」が必要
- 駐車場といえ、トラブルはある
一つ目は、実質利回りで考えるということです。利回りは、表面利回りと実質利回りがありますが、駐車場は固定資産税が支出に占める割合が多く、実質利回りベースでしっかりと把握しましょう。
二つ目は、駐車場運営においては、一定の要件を満たすと届出が必要になります。
【設置の届け出】駐車場法第12条 都市計画法第4条第2項の都市計画区域内(以下「都市計画区域」という。)において、前条の路外駐車場でその利用について駐車料金を徴収するものを設置する者(以下「路外駐車場管理者」という。)は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、路外駐車場の位置、規模、構造、設備その他必要な事項を都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)に届出なければならない。届け出てある事項を変更しようとするときも、また同様とする。
- 一般公共の用に供する。
- 駐車の用に供する部分の面積の合計が500平方メートル以上である。
- 利用者から駐車料金を徴収する。
駐車場法に基づき、一般公共用の有料駐車スペースの合計が500平方メートル以上ある路外駐車場を当区内に設置する場合、届出が必要となります。ここでポイントは、一般公共の用に供する駐車場とは不特定多数の者が自由に使用できる例えば時間貸駐車場のことで、月極駐車場等の一定区画において独占的な使用権を設定している場合は該当しません。
三つ目は、駐車場運営でもトラブルはあります。駐車場料金の滞納、不正駐車、不法投棄、無断駐車、駐車場内の事故リスク、防犯・騒音で苦情があり得ます。
月極駐車場物件を買って感じた3つのこと
私が、月極駐車場物件を購入して感じたことを少しお話したいと思います。
- 他の投資と比較して「楽」で、初心者におすすめ
- 低リスクであるということ
- 管理費は高い
一つ目は、他の不動産投資と比較しても楽であるということです。前述のように駐車場といえどトラブルやクレームはありますが、アパートのように人が住んでいるわけではないので、比較的トラブル・クレームは少ないという印象です。また初期投資が少なく、砂利のままの駐車場で購入後基本何もすることがないです。そのため、私は不動産投資初心者の方におすすめしたいです。
二つ目は、低リスクであるということです。不動産投資で万が一のリスクがいくつかあります。火災、地震、室内での自殺・他殺などです。これらは全て建物があり、住んでいるからこそのリスクです。もちろん大地震が起こった場合、地割れ等土地について全くリスクがないわけではありません。しかし、建物がないことでそのリスクはかなり軽減されます。
三つ目は、管理費が比較的高いということです。今の時代、都心の管理費の相場は、収入に対して2.5%~3%程度ではないかと思います。しかし、駐車場はもう少し高いという実感があります。例えば、1Rの部屋でも家賃は5万円とか7万円くらいはします。駐車場は5000円とか1万円程度です。管理会社が3%の管理手数料で受託すると1台あたり150円~300円の収入です。これでは割に合わないため、利率としては比較的高めの管理手数料が設定されていることが多いです。