私は買わない!私道物件 4/5話  「位置指定道路の35m端に接道しているはずが・・・」

位置指定道路の35m端に接道しているはずが・・・

 ある物件で、役所に調査にいくと、前面道路が位置指定道路であるということがわかった。役所で位置指定道路の図面を取得し、法務局で公図・地積測量図を取得し、現地も確認して事務所に戻り資料を照らし合わせていると違和感を感じました。

 位置指定道路とは 

位置指定道路とは、建築基準法上の道路の一つで、特定行政庁が道路位置の指定をした道路です。宅地を造成し分譲住宅として売り出す際に、開発した私道は、特定行政庁の道路位置の指定を受けなければなりません。

位置指定道路の基準

 位置指定道路には、基準があります。主な内容は、下記の通りです。

位置指定道路の基準

(1)原則的に、通り抜け道路であること。

例外1.行き止まり道路の場合には、位置指定道路の長さは35m以下であること。

例外2.位置指定道路の終端が公園や広場これらに類するもので自動車の回転に支障がないこと。

例外3.位置指定道路の長さが35mを超える場合で、終端及び35m以内に基準に適合する自動車の転換広場が設けられていること。

例外4.幅員6m以上の場合

(2)幅員が4m以上であり、原則として隅切りが両側に設けられていること。

(3)道路形態、道路境界が明確であり、排水設備が設けられていること。

位置指定道路に接道していなかった!? 

話は、最初に戻りますが、現地を見て資料を全て照らし合わせて私は違和感を感じました。私は、物件は、下記図1のようなものだと思っていました。

しかし、違っていたのです。実際は、図2のようなものでした。位置指定道路として認められているのは、位置指定道路の先端から35mまでです。位置指定道路の終端と対象地Dとの間には、分譲会社(不動産会社)が所有する宅地が存していました。これでは、物件Dは、接道していないことになります。こうなると※印の宅地を買取るしかないのです・・・

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 まとめ・ポイント

位置指定道路は、調査も重要です。バブル期時代には、上記のようなことを悪意をもって行っていた分譲業者もいました。また、役所機能も今ほど厳格ではありません。こういった物件が中古市場で流通することがありますので、仲介会社にまかせっきりでなく、資料と必ず現地に行って自分自身が確認することが必要です。