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正直不動産 6巻 任意売却
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の6巻で出てくる任意売却についてです。
導入:任意売却とは?
任意売却とは?
- ローンを滞納し、競売を避けるために金融機関の同意を得て不動産を売却する方法をいいます。
- 競売よりも高く売れる可能性があるため、債務者にとってメリットがあります。
- デメリットや注意点もあるため、慎重に進める必要があります。
任意売却が必要になる例:3つのケース
- 住宅ローンの返済が困難になった場合:失業・収入減・病気などでローン返済ができなくなるケース。
- 保証会社から代位弁済され任意売却:返済を滞納し、金融機関が保証会社に代位弁済を依頼した場合に、保証会社から任意売却を求められた場合。
- サービサーへ債権譲渡され任意売却::返済を滞納し、金融機関が債権をサービサーに譲渡した場合に、サービサーから任意売却を求められた場合。
任意売却の4つのメリット
- 競売よりも高く売れる可能性がある:一般的には、競売では市場価格の7割程度にしかならないことが多いですが、任意売却なら市場価格に近い価格で売却できることがあります。
- プライバシーが守られる:競売では公告が出て周囲に知られる可能性が高いが、任意売却は通常の売却と同じ手続きで行われるため、周囲に知られにくいです。
- 引っ越し費用を確保できる可能性がある:金融機関と交渉次第で、売却代金の一部を引っ越し費用として認めてもらえることがあります。
- 残債務の返済について交渉が可能:残ったローンを無理のない分割払いにしてもらえることがあります。競売の場合、こういった交渉は難しいですが、任意売却の場合は相談してみましょう。
任意売却における2つのデメリット・問題点
- 必ずしも成功するとは限らない:時間と労力をさいて任意売却の活動をしても、任意売却が成立しないこともあります。(買手が見つからない、債権者の同意がとれない)
- 譲渡税に気を付ける:不動産は売却して利益がでると譲渡税がかかります。マイホームの場合は、3000万円の特別控除が使うことができれば大半は税金はかかりません。しかし、マイホーム以外や3000万控除が使えないケースでは税金がかかります。これを避けるには、所得税法9条の非課税所得に該当する必要があります。「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である」ことが必要です。この著しく困難であることの証明は競売の方が証明しやすいです。
任意売却を成功させるためのポイント
- 早めに金融機関へ相談する:滞納が続くと競売手続きが進んでしまうため、できるだけ早めに動くことが重要です。
- 実績のある専門家に相談する:任意売却に詳しい不動産会社・弁護士・司法書士に依頼することが重要です。詐欺的な業者に注意しましょう。
- 競売との違いを理解しておく:任意売却と競売の違いをしっかり理解し、自分に合った方法を選びましょう。