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正直不動産5巻 共有名義
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の5巻で出てくる共有名義についてです。
導入:共有名義の不動産とは?
共有名義の定義とは?
共有名義の不動産とは、複数人で所有権を持つ形態のことをいいます。相続や共同購入によって発生するが、トラブルになることが多いです。
本記事では、共有名義の不動産が抱える問題点と解決策を詳しく解説します。
共有名義の不動産の種類
- 相続による共有:親の不動産を相続した際、兄弟姉妹で共有するケース。使い方や売却を巡って意見が分かれることが多い。
- 夫婦での共有:住宅ローンの借入額を増やす目的で夫婦共同名義にするケース。離婚時の財産分与や売却時に問題が生じることがある。
- 投資や事業用の共同購入:友人や親族と共同で不動産を購入するケース。収益分配や意思決定で揉めることが多い。
共有名義の具体的な問題点と解決策
共有名義の不動産が抱える主な問題点
- 売却のハードルが高い:共有者全員の同意がないと売却できないため、意見の相違で進まないケースが多い。一部持分だけ売ることは可能だが、買い手が付きにくく、価格も低くなる。
- 管理や維持費の負担が不公平になる:誰が固定資産税を支払うのか、修繕費はどう分担するのかトラブルになりやすい。一人が支払った場合、他の共有者に請求できるが、回収が難しいこともあります。
- 利用方法の対立:住む人と投資目的の人で意見が対立しやすい。一人が勝手に賃貸に出したり、リフォームを進めたりすることで問題が発生することもあるでしょう。
- 相続時にさらに権利が細分化する:共有者が亡くなると、その持分が相続されて権利関係がさらに複雑になる。共有者が増えれば増えるほど、意思決定が困難になっていきます。
共有名義不動産の解決策
- 持分を買い取る(単独名義にする):共有者のうち一人が他の持分を買い取ることで、単独名義に変更できます。ただし、適正な価格で合意する必要があります。
- 共有持分を第三者に売却する:共有者間で合意が取れない場合、自分の持分だけを売却することも可能です。ただし、買い手が見つかりにくく、二束三文になりやすい。
- 共有物分割請求をする:裁判所に申し立てをして、不動産を分割・売却して現金化する方法。他の共有者が反対していても実行可能だが、時間とコストがかかります。
- 賃貸に出して収益を分配する:共有者全員が納得すれば、賃貸に出して家賃収入を分配する方法も選択肢です。賃貸経営の方針で意見が割れることもあるため、事前の合意が重要です。
共有名義不動産のトラブルを避ける方法
- 最初にルールを決める:共有者全員で「管理・利用・売却」について明確なルールを決めておく。収益の分配方法や費用負担の割合を契約書にしておくのがベスト。
- 将来的な出口戦略を考えておく:共有名義のまま長期保有するのか、一定期間後に売却するのか決めておく。共有者のライフプランの変化も考慮することが重要。
- 専門家に相談する:不動産の共有問題は法律や税金の知識が必要なため、不動産会社・弁護士・税理士に相談するのが望ましい。