債務償還年数とは?
不動産賃貸業における債務償還年数とは、金融機関が最も重視する返済能力をあらわすための財務指標の一つで、有利子負債の返済にかかる年数を示す指標になります。金融機関側からすると、全額返済までにどれくらいの年数を要するかを把握するための重要な指標です。計算式は、下記の通りです。不動産投資において重要な計算式ですので覚えておきましょう。
債務償還年数:(有利子負債ー現金)÷(税引後利益+減価償却費)
債務償還年数の目安は?
不動産投資における債務償還年年数の目安はあるのでしょうか。不動産賃貸業は、収益不動産を購入して、物件から賃料収入が発生し、費用を控除した純収益が計上されます。この中で、収益物件の購入には大きな融資額が必要となるケースが多く、かつ返済期間が長期間になることが多いです。
一般的には、融資期間は10年~35年程度の融資を組み、返済していきます。債務償還年数は、何年くらいが目安かというと20年以内というのが一つの目安でしょう。企業の債務償還年数は、10年以内程度というのが目安になりますので、企業の債務償還年数と不動産賃貸業における債務償還年数は異なります。
債務償還年数が20年を超えていたら?
債務償還年数の目安が20年とありますが、債務償還年数が25年、30年、35年など目安とされている20年を超えているケースは少なくありません。では、債務償還年数を改善するためには、どうしたらいいでそうか。
- 有利子負債を減らす
- 税引前利益+減価償却費を増やす
改善策は、上記2点です。有利子負債を減らすということに着目した場合、繰上返済がその方法の一つです。税引前利益+減価償却費を増やすということに着目した場合、収入を上げる策を考える、支出を抑える策を考えるなど複数策が考えられます。そのため、まずは税引前利益+減価償却費を増やすことから始めるといいでしょう。
実体験としても金融機関側は、独自の手元指標として必ず見ています。自分自身で把握しておくことが必要です。