劣化対策等級と融資期間の関係

劣化対策等級

劣化等級とは?

劣化対策等級(れっかたいさくとうきゅう)とは、柱、梁、主要な壁などの構造躯体に使用されている材料に着目して、劣化を軽減する対策の程度を評価して等級で表示するものです。。建物の構造躯体の部分に用いられる木材のシロアリ対策や鉄筋の錆び対策など、住宅を長持ちさせるための対策の程度を、3段階の等級で評価しています。

  • 劣化対策等級1建築基準法に定める対策が講じられている
  • 劣化対策等級2:通常想定される自然条件及び維持条件の下で2世代(50年~60年程度)まで、大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するための必要な対策が講じられている。
  • 劣化対策等級3:通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下で3世代(75年~90年程度)まで、大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するための必要な対策が講じられている。

劣化対策等級 取得方法と取得費用

劣化対策等級に要求される水中及び基準の概要

国土交通省「評価方法基準案(劣化対策)の各等級に要求される水準の考え方」より

劣化対策等級の申請費用は、あくまで申請費用なので高くないですが、性能強化するため、建築会社への費用が30万~100万程度かかるでしょう。また、劣化等級2と劣化等級3では対策の違いがありますので費用も変わってくるでしょう。

劣化対策等級の3つのメリット

  • 所有物件が書面で評価されることになる。
  • アパート・マンション等の収益物件で融資が付けやすい、融資期間が有利
  • 売却時に評価があがる

劣化対策等級と融資期間

劣化対策等級を取得すると融資期間は伸びるのか!?

金融機関によっては、劣化対策等級を取得することによって融資期間が延びることがあります。ただし、金融機関によっては取得しても融資期間に影響がないこともありますので、事前に確認しておく必要があります。

基本的には、劣化対策等級2級から融資期間が延びるでしょう。通常、木造住宅の耐用年数は22年ですが、感覚的には劣化等級2級を取得することによって融資期間は25年~30年程度で見てくれる先があると思います。また、劣化等級3級で35年の融資期間を見てくれる先もあるでしょう。

劣化対策等級を取得した場合は、売却は有利になるのか!?

劣化対策等級を取得していると融資期間が延びます。そうすると、中古で売却する時にも金融機関によって25年~30年、場合によっては35年(新築時)で見てくれることになります。つまり劣化等級を取得した収益物件は売却時に有利ということがいます。

ただし、ここで1点注意が必要です。金融機関の融資の姿勢というのは時期や時代の流れによって変化していきます。自分が購入時に劣化等級を取得して融資を有利に受けたからといって売却時に必ずしも有利になるかはその時になってみないと分からないものです。注意して頭にいれておきましょう。