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正直不動産 7巻 公簿売買
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の7巻で出てくる公簿売買についてです。
導入:土地の公簿売買とは?
土地の公簿売買とは?
- 公簿売買(こうぼばいばい)とは、土地の売買契約を登記簿上の面積(公簿面積)を基準に行う方法です。 実測を行わずに取引をするため、手続きが簡単で費用が抑えられるメリットがあるが、いくつかの問題点も存在する。
- この記事では、公簿売買の特徴やリスクについて詳しく解説する。
公簿売買と実測売買の違い
- 公簿売買:登記簿に記載された面積を基準に売買契約を締結する内容です。実際の測量を行わないため、登記簿と実際の面積に差があっても価格調整はされません。
- 実測売買:実際に測量を行い、測量結果の面積を基準に売買契約を締結する内容です。境界確定を行い、実際の土地の面積に基づいて価格が決まるため、公簿売買よりも正確な取引となります。ただし、測量費用や手間がかかります。
公簿売買のメリット
- 測量費用がかからない:測量費は50万~100万程度かかることがあるが、公簿売買ではその費用は不要となります。
- 契約手続きがスムーズ:測量・境界確定の手続きを省略できるため、短期間で取引を完了できる。
- 売主の負担が少ない:境界確定や測量を求められないため、売主側の負担が軽い。
公簿売買のデメリット・問題点
- 登記簿の面積と実際の面積が違うことがある:登記簿に記載された面積は、古い測量方法で計測されていることが多く、実際の面積と異なるケースがあります。特に、地積測量図がない古い土地では誤差が大きくなる可能性があります。
- 境界トラブルのリスク:測量を行わないため、隣地との境界が曖昧なまま取引されることがある。
- 買主が損をする可能性がある:実際の土地面積が登記簿より小さかった場合、買主は少ない面積の土地を想定以上の価格で購入することになる。逆に、面積が多い場合は売主が損をすることもあるが、売主側は契約時に「公簿売買」として同意を得ているため、後から価格調整を求めるのは難しいものです。
- 金融機関の融資に影響する可能性:金融機関によっては、公簿売買の土地には融資を制限する場合がある。境界確定や測量図の提出を求められることがあるため、ローン審査で不利になる可能性がある。
- 将来的な売却時に問題が生じる可能性:買主が将来、再び売却しようとした際に、次の買主が測量を求める可能性がある。その際に面積誤差や境界問題が発覚すると、売却がスムーズに進まないリスクがある。
公簿売買を利用する際の注意点
- できるだけ「実測売買」を検討する:多少の費用はかかるが、測量を行い、正確な面積で取引することで後々のトラブルを防げる。
- 境界確認を行う:測量をしなくても、売主・隣地所有者と立ち会いのもとで境界を確認することで、トラブルを防げる可能性がある。
- 契約書の条項を確認する: