中古住宅に抵抗がある理由は!?
こんにちは、本日は、なぜ日本人は中古住宅に抵抗があるのかということをテーマにお話をしていきたいと思っています。平成23年度の国土交通省の「土地問題に関する国民の意識調査」のデータによると下記のような傾向が出ています。
- 新築住宅の方が気持ちがよい・・・55.2%
- 中古住宅は間取りや仕様を自由に選べない・・・32.9%
- 中古住宅の方が、耐震性や断熱性等の品質が低い・・・20.5%
- 中古中他のリフォーム費用やメンテナンス費用が分からない・・・18.4%
- 抵抗はない・・・15.3%
- 中古住宅の方が、品質に関する情報が少ない・・・14.6%
- 中古住宅の方が、保証やアフターサービスが充実していない・・・11.7%
- 中古住宅の方が、価格の妥当性の判断が難しい・・・9.8%
- 中古住宅の方が、住宅ローン税洗面で不利だから・・・4.1%
- その他・・・1.4%
- わからない・・・1.6%
出典:国土交通省「土地問題に関する国民意識調査」より
中古住宅ストックの必要性
日本は、世界の中で先駆けて、少子高齢化、人口減少が進展していきます。現在の住宅ストックは、総世帯数を上回っており、日本全国で空き家問題が深刻化してきています。また、新築住宅を作っては壊すとうい現実から、中古住宅を長く大切に使うという社会へ移行することが重要となっています。
現在の多様な居住ニーズに対応するためには、良質な住宅を適時・適切に選択できる住宅流通市場の形成が必要です。しかし、中古住宅の流通市場は近年着実に拡大しつつありますが、欧米諸国に比べると未だ低い水準にあります。日本の中古住宅流通シェアは約14.7%。欧米の1/6程度と低い水準にあるとされてます。(出典:国土交通省中古住宅流通促進・活用に関する研究資料)
そのため良質な中古住宅ストックが、適切に維持管理・リフォームされ、多世代にわたり循環利用されていくように、既存ストックの質の向上と流通の活性化を図ることが重要な課題となっています。
住生活基本計画
住生活基本法に基づく、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画となっています。2016年3月に、計画期間を2016年度~2025年度として見直しがされており、基本的な方針として、「住宅ストックからの視点」について、次のような目標4~6が設定されています。
- 「住宅すごろく」(住宅購入でゴール)を超えて、適切な維持管理やろフォームの実施により、価値が低下せず、魅力が市場で評価され、流通することにより、資産として次の世代に承継されていく新たな流れの創出
- リフォーム投資の拡大と住み替え需要の喚起により、多様な居住ニーズに対応するとともに、人口減少時代の住宅市場の新たな牽引力を創出
- 約900万戸ある耐震性を充たさない住宅の建替え、省エネ性を充たさない住宅やバリアフリー化されていない住宅棟のリフォームなどにより、安全で質の高い住宅ストックに更新
- 多数の区分所有者の合意形成という特有の難しさを抱える老朽化マンションの建替え・改修を促進し、耐震性等の安全性や質の向上を図る
- 空き家を賃貸、売却、他用途に活用するとともに、計画的な空き家の解体・撤去を推進し、空き家の増加を抑制
- 地方圏においては特に空き家の増加が著しいため、空き家対策を総合的に推進し、地方創生に貢献
アンケート結果から見る問題点・注意点
中古住宅は、新築時の品質や性能と異なります。それは、維持管理や経年劣化の状況により物件ごとの品質等に差があることから、消費者は、その品質や性能に不安を感じています。アンケート回答の上位にも「中古住宅の方が、耐震性や断熱性等の品質が低いから」「中古住宅のリフォーム費用やメンテナンス費用が分からないから」「中古住宅の方が、品質に関する情報が少ないから」などが挙げられています。
つまり、中古住宅を提供する市場の仕組みや宅建業者が、このような住宅の性能や品質、リフォームに対する不安を解消していけるかどうかが、今後日本で中古住宅がより普及していくかどうかの課題なのであろうと思います。