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リースバックとは?売却後に住み続ける仕組みと6つの注意点
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の18巻で出てくるリースバックについてです。
リースバックとは?
リースバック(Sale and Leaseback)とは、現在所有している自宅を不動産会社などに売却し、その後は賃貸契約を結んで同じ家に住み続けることができる仕組みです。
- まとまった資金が手に入る
- 引っ越しせずに住み続けられる
- 老後資金や借入返済の手段になる
といったメリットが注目され、近年高齢者や中小企業経営者の間で活用が広がっています。
リースバックの仕組み
- 不動産会社が物件を購入
- 売主(元所有者)は買主(新所有者)と賃貸契約を結ぶ
- 月々の家賃を支払うことで、そのまま住み続けられる
リースバックのメリット
✅ 引っ越し不要:住環境を変えずに資金調達可能
✅ 現金化が早い:売却までが比較的スムーズ
✅ 老後資金・相続対策に使える
✅ 住宅ローンの返済・延滞回避にも
リースバックの重要な6つの注意点
- 相場より売却価格が安くなることが多い:リースバックは、物件を買い取る側がリスクを取るため、相場の7〜9割程度の価格でしか売れないことが一般的です。高値追及は不向きです。
- 家賃は相場以上になることも:賃貸として貸し出される家賃は、将来的な価格変動やリスクを考慮して割高に設定されることもあります。固定されないケースもあるため、契約内容をしっかり確認しましょう。
- 住み続けられる期間に上限がある:「ずっと住み続けられる」と思っていたのに、契約期間終了後に更新されなかったり、立退きを求められたりする可能性があります。再契約の可否や契約期間は必ずチェックしましょう。
- 途中解約・再購入が難しいこともある:「将来的に買い戻したい」と考えても、再購入の価格や時期が明確でない、あるいはそもそも再購入不可の契約もあります。
- トラブル事例も少なくない:国民生活センターには、リースバックに関する相談が毎年数百件単位で寄せられています。例えば「売却後すぐに立退きを迫られた」「家賃が想定以上に高額になった」「説明と違う条件で契約させられた」などです。頭に入れておきましょう。
- 契約内容が複雑でリスクも大きい:リースバック契約は、売買契約と賃貸借契約がセットになっており、法律的にも複雑で専門的な内容になります。信頼できる専門家や第三者機関への相談が不可欠です。
リースバックが向いている人とは?
- 老後資金を確保したい高齢者
- 離婚や相続で資産整理が必要な人
- 住宅ローンの返済が困難な人
- 資金調達を急ぎたい個人事業主や経営者
リースバックで後悔しないための対策
✅ 複数社から見積もり・査定をとる
✅ 賃料や契約条件を明文化して確認
✅ 契約期間と更新の有無を事前に把握する
✅ 再購入が可能か、特約の有無を確認
✅ 困ったときは宅建士や弁護士へ相談
よくある質問(FAQ)
まとめ:リースバックは便利だが慎重な判断を!
リースバックは「売却+居住継続」を両立できる便利な仕組みですが、
- 売却価格の低さ
- 家賃の高さ
- 契約終了リスク
など、多くの注意点があります。十分な比較・契約内容の理解・専門家の相談が、トラブルを避ける鍵です。