もくじ
正直不動産 4巻 地面師
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の4巻で出てくる地面師についてです。
導入:導入:地面師とは?
- 地面師とは、不動産詐欺を行う詐欺師の一種で、他人の土地を無断で売却し、巨額の利益を騙し取る犯罪者のこと。
- 日本で昔からある犯罪手口だが、近年も大手企業が被害に遭うケースが発生しています
- 本記事では、地面師の手口や実際の事例、被害を防ぐための対策について解説します。
地面師の手口
- ターゲットの選定:長期間利用されていない土地や、所有者が高齢・管理が不十分な土地を狙う。抵当権がないもの。
- 偽造書類の作成:偽の印鑑証明・権利書・運転免許証などを作成し、あたかも本物の所有者のように装う。
- 買い手(被害者)への接触:不動産業者や投資家に対して、「好条件の土地が売りに出ている」と持ちかける。
- スピード決済を要求:「人気の土地だから早く契約しないと他に取られる」と急かし、被害者に即決させる。代金決済後、地面師グループは姿を消し、土地の所有者になりすまし騙し取る。
地面師詐欺を防ぐための対策
- 本人確認の徹底:売主の身分証明書や登記情報を慎重に確認。本人確認を複数回行い、不審点がないか精査。これを全て買主が確認するのは難しいので、信頼できる仲介会社に依頼することも大事。
- 登記情報のチェック:法務局で最新の登記情報を取得し、所有者に変更がないか確認。所有者が高齢・海外在住の場合、特に慎重に調査。
- 不審な点があれば専門家に相談:弁護士や司法書士と連携し、書類の真正性を確認。スピード決済を要求される場合は注意し、冷静な判断を行う。
実際に起きた地面師事件 3選
積水ハウス事件(2017年)
2017年東京都品川区の土地をめぐり、積水ハウスが55億円の被害を受けます。 偽造された所有者の身分証明書を用いて売買契約を締結します。 振り込まれた後に詐欺が発覚し、地面師グループの逮捕者が出たが、全額の回収はできず。伝説的な地面師事件です。
新橋4丁目事件(2015・2016年)
マッカーサー道路の近く、新橋で資産家の地面師事件です。売主になりすまして、地面師が関係し、実に3か月間で土地が転々と売買され、最後にNTT都市開発が購入しました。その後、女性が失踪、白骨化した遺体が発見されました。
アパホテル事件(2013年)
2013年、ビジネスホテルを所有運営するアパグループの関連会社が、12億6000万をだまし取られた事件です。アパ事件の舞台は港区赤坂。114坪の広さの駐車場です。土地は、亡くなった旧所有者の個人から資産管理会社に移転されていた。亡くなった個人には息子が2人いるがこれ位で施設暮らしだったため、兄弟が土地を想像くした格好にして土地を売却する事件を画策した。