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立退きとは?正当事由・立退料・拒否できるケースを徹底解説
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の8巻で出てくる立退きについてです。
賃貸物件に住んでいて、突然「立退きをお願いします」と言われたら、誰でも不安になると思います。「立退きって拒否できる?」「立退料ってもらえるの?」「何を基準に退去が決まるの?」そんな疑問に応えるため、本記事では立退きの基礎知識から正当事由・交渉のコツ・トラブル対策まで詳しく解説します。
目次:立退きとは?
- 立退きとは?基本的な考え方
- 正当事由がなければ立退きは認められない
- 立退きを拒否できるケースとは?
- 立退料の相場と交渉のポイント
- 立退き交渉の流れと注意点
- トラブルを防ぐためにやるべきこと
- まとめ:知識と冷静な対応がカギ
立退きとは?基本的な考え方
立退き(たちのき)とは、貸主(大家)が借主に退去を求める行為です。契約更新や期間満了に伴う場合もあれば、契約期間中であることもあります。
よくある立退きの理由は以下の通りです。
- 建物の老朽化・取り壊し
- オーナー自身の使用(自己使用)
- 売却や再開発
- 賃貸借契約の終了・更新拒絶
日本の法律では、借主保護が原則。簡単には立退きが認められません。
正当事由がなければ立退きは認められない
立退きを認めさせるには、「正当事由」が必要です(借地借家法 第28条)。これは、貸主側の主張が「社会通念上やむを得ない」と判断される必要があります。
正当事由に該当する具体的な例は以下の通りです。
- 建物が老朽化し、安全に住めない
- 貸主がその物件に住む必要がある
- 再開発や建て替えによる事情
- 借主の契約違反(無断転貸・家賃滞納など)
正当事由がない場合、借主は立退きを拒否できます。
立退きを拒否できるケースとは?
立退き通知を受けても、必ずしも従う義務はありません。立ち退きを拒否できる具体的なケースは以下の通りです。
- 正当事由が弱い(貸主の都合だけ)
- 借主が長年居住しており生活の本拠である
- 代替物件の提案がない
- 立退料が提示されない・極端に低い
拒否の意思を伝える際は、内容証明郵便で行い、記録を残しておくことが重要です。
立退料の相場と交渉のポイント
正当事由を補う目的で支払われるのが立退料(たちのきりょう)です。法的な明確な基準はなく、交渉で決まります。一般的な目安は以下の通りです。
- 住宅の場合は、家賃の6〜12ヶ月分が一般的(事務所・店舗の場合は異なります)
- 引越し費用・新居の礼金・仲介手数料
- 慣れ親しんだ地域からの転居による精神的負担分・手間賃
立退き交渉の流れと注意点
立退きの一般的な流れは以下の通りです。
- 貸主からの立退き通知(口頭・書面)
- 借主が対応(受け入れる or 拒否)
- 交渉開始(立退料・期限など)
- 合意書の作成
- 引越し・明渡し
立退きの注意点は以下の通りです。
- 書面でのやり取りを必ず残す
- 感情的にならず、冷静な交渉を
- 第三者(弁護士・不動産会社)を入れるとスムーズ
まとめ:知識と冷静な対応がカギ
立退きは、貸主・借主の双方にとって大きな問題です。重要なのは、「法律に基づいた冷静な判断」となります。
- 正当事由がなければ、立退きを拒否できる
- 立退料は交渉で上乗せ可能
- 不安なら、専門家にすぐ相談を
借主としての権利を守るためにも、まずはしっかりと知識を持つことが大切です。