正直不動産から学ぶ11巻 ~負動産とは?売れない・手放せない不動産の現実~

正直不動産から学ぶ11巻 ~負動産とは?~

正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の11巻で出てくる負動産についてです。

かつて「不動産=資産」というのが常識でした。しかし今、持っているだけで損をする『負動産(ふどうさん)』が社会問題になっています。

  • 「相続した実家が売れない…」
  • 「固定資産税ばかりかかって放置している土地がある」
  • 「売却も寄付もできず、手放せない」

こうした悩みを抱える人は年々増加しています。この記事では、「負動産とは何か?」「なぜ売れないのか?」「どう処分すればよいのか?」について、わかりやすく解説します。

目次:~負動産とは?~

  1. 負動産とは?意味と背景
  2. なぜ今、負動産が増えているのか
  3. 負動産になりやすい物件の特徴
  4. 売れない不動産をどうする?対処法5選
  5. 今後の不動産戦略に必要な考え方
  6. まとめ:不動産も「保有リスク」を見極める時代へ

負動産とは?意味と背景

負動産(ふどうさん)とは、持っていることでコストやリスクばかりかかり、資産ではなく「負債」になってしまった不動産のことを指します。

資産としての不動産負動産
借り手や買い手がいる売れない、貸せない
資産価値が上昇する評価額が低下している
所有するメリットがある維持費・税金・管理コストが負担になる

特に問題となるのは「相続」で引き継がれた不動産:相続人が望まない空き家や土地を手放せず、「管理責任だけ残る」という負の遺産になってしまうケースが増えています。

なぜ今、負動産が増えているのか?

  • 少子高齢化・人口減少:地方や郊外では住宅の需要が激減しており、売却困難な物件が急増。
  • 空き家率の上昇(全国で約13.8% ※総務省調査):住む人がいない住宅が放置され、資産価値が劣化
  • 法制度や税制の影響:固定資産税がかかり続け、使い道のない不動産が重荷に

負動産になりやすい物件の特徴

特徴内容
過疎地・山間部・離島の土地買い手・借り手がいない(需要ゼロ)
再建築不可の土地建物が古くても建て替えできず、価値がほぼゼロ
接道義務を満たしていない土地建築基準法に違反していて売れない
築年数の古い空き家修繕費が高額で買い手がつかない
土地の境界が不明な物件測量・隣地との交渉が必要で、売却に手間と費用がかかる

売れない不動産をどうする?対処法5選

  1. 格安で売却する(1円不動産・ゼロ円不動産):利益を求めず、「手放すこと」を最優先に。不動産会社やマッチングサイトを活用。
  2. 不動産買取業者へ相談する:個人では売れない物件でも、再活用目的で買取してくれる業者も存在。
  3. 自治体への寄付・譲渡を検討:一部の自治体では、空き家や土地を活用する施策あり(※受け入れには条件あり)。
  4. 空き家バンクに登録する:地方移住者や事業者向けにマッチング支援を行っている自治体制度
  5. 解体・更地にして売る:建物の老朽化が進んでいる場合は、解体したほうが売れやすいことも。

今後の不動産戦略に必要な考え方

  • 「保有=安心」の時代は終わった:不動産は使い道がなければ「資産」ではなく「負債」になります。
  • 相続前から計画的に整理を:不動産の生前贈与・売却・寄付などを検討しておくことが大切
  • 地域や将来性を見極める目を持つ:投資や相続では、立地や利活用の可能性を冷静に判断する力が重要。

まとめ:不動産にも「出口戦略」が必要な時代

負動産とは、売れず、貸せず、維持費だけがかかる不動産のことです。日本全国で空き家が増え続ける中、誰もが当事者になりうる問題です。今後は「所有し続けるリスク」を認識し、早めの対策・情報収集・相談がカギになります。