金融機関の担保評価における「カバー」と「アンカバー」とは?

金融機関における担保評価の重要性

金融機関は融資の安全性を確保するために、担保の評価を行います。その評価基準のひとつとして「カバー」と「アンカバー」という概念があります。この記事では、これらの違いと金融機関がどのように活用しているのかを解説します。

「カバー」と「アンカバー」とは?

カバー(Cover)とは?

  • 定義:担保価値が融資額と同等、もしくはそれ以上あり、貸倒リスクが低い状態。
  • 特徴:①金融機関にとって安全な融資② 審査が通りやすく、低金利での融資が可能
    ③信用力のある企業や個人が利用しやすい
  • 具体例:5,000万円の融資に対し、評価額5,500万円の不動産を担保にする。

アンカバー(Uncover)とは?

  • 定義:担保価値が融資額を下回り、金融機関が追加リスクを負う状態。
  • 特徴:①金融機関にとって貸倒リスクが高い② 審査が厳しくなり、保証人や追加担保が求められる場合が多い③ 金利が高めに設定されることが一般的
  • 具体例:評価額4,00万円の不動産を担保に5,000万円の融資を行うこと。

カバーとアンカバーの比較

項目カバーアンカバー
担保価値と融資額の関係担保価値 ≧ 融資額担保価値 < 融資額
貸倒リスク低い高い
金利低め高め
追加保証の必要性基本不要必要な場合あり

金融機関の担保評価における対応

  • 担保価値を正確に査定:不動産の場合は外部の不動産鑑定士の評価を活用。
  • アンカバーの場合はリスクヘッジを実施追加担保を求める、保証会社の利用、金利の調整などでリスクを管理。