正直不動産から学ぶ17巻 ~がけ条例:損をしないための基礎知識と注意点~

動産購入で損をしないための基礎知識と注意点

正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の17巻で出てくるがけ条例についてです。

マイホームや土地購入を検討する中で、「がけ条例の制限あり」「建築制限区域」といった言葉を見かけたことはありませんか?見落とすと「家が建てられない土地を買ってしまった…」なんてことにも。

この記事では、がけ条例とは何か、建築への影響、購入時の注意点を初心者にもわかりやすく解説します。

がけ条例とは?

がけ条例(正式名:宅地造成等規制法に基づく条例)は、がけ(崖)に隣接する土地に家を建てる際の安全基準を定めた条例のことです。各自治体(市区町村)が独自に定めており、土砂災害や崖崩れによる被害を防ぐ目的で制定されています。

「がけ」とはどんな場所?

一般的に、以下のような場所が「がけ」とされます。

  • 高さ2m以上の傾斜地
  • 勾配30度以上の法面(のりめん)
  • 自然の崖、擁壁(ようへき)など

そして、「がけ条例」により、がけから一定の距離内(多くはがけ上・がけ下5〜10m)では建築に制限がかかる場合があります。

がけ条例の規制内容(例)

条件内容
がけ上の建築制限崖の上端から一定距離内は建築不可、または基礎強化が必要
がけ下の建築制限崖の下端に近い建築は、崖崩れ防止工事が必要
擁壁の有無による制限 擁壁が適法でなければ再建築や増築が認められない

がけ条例で注意すべき4つのポイント

  1. 家が建てられない・建て替えできないことがある:規制区域内では、建築確認申請が通らないこともあります。建て替えや増築ができず、資産価値が大幅に下がる可能性も。
  2. 擁壁の確認が重要:擁壁が古い・非構造物・違法構造の場合、建築不可や改修指導が入ることがあります。擁壁の構造図や確認済証があるかどうかもチェックしましょう。
  3. 開発や工事に高額な費用がかかる可能性:崖の補強、擁壁の設置・やり直しなど、100万円単位の工事費が発生することもあります。
  4. 金融機関の融資が通りにくいことも:がけ条例による建築制限があると、担保評価が低くなるため、住宅ローンが下りない・減額される可能性もあります。

購入前に確認すべき3つのこと

自治体の都市計画課・建築課に問い合わせ
 その土地が条例に該当するか、建築の可否を確認しましょう。

地盤調査・測量図を取得
 土地の高低差、擁壁の有無、がけとの距離を明確にします。

不動産会社や建築士に相談
 条例クリアのための建築方法やコストを具体的に把握しましょう。

よくある質問(FAQ)

擁壁が古い場合、どうすればいい?

現地調査で構造の適法性を確認し、必要に応じて補修・新設が必要です。費用が高額になることが多いため、事前に見積もりを取りましょう。

がけ条例があっても家は建てられる?

条件付きで建築可能なケースもありますが、建築士や行政と密に相談する必要があります。

まとめ|がけ条例を知らないと、買った後に建てられない!

項目内容
がけ条例とは?崖付近の建築を制限する安全対策条例
主な影響建築制限・擁壁要件・ローン不利
確認方法役所・測量・専門家相談
対応策擁壁補強・距離確保・設計調整

土地の価格が安い理由に「がけ条例」が隠れていることは少なくありません。しかし、適切な知識と準備があれば、安全に活用できるケースもあるのが実情です。購入前の十分な調査と専門家のアドバイスをもとに、安心・安全な住まい選びを実現しましょう。