NHK受信料の支払いはなぜするのか?
NHKが「受信料を支払ってください。」と話をしてる根拠は、放送法第64条になります。
放送法第64条 受信契約及び受信料
- 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送るであつて、テレビジョン放送及び多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
- 協会は、あらかじめ、総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。
- 協会は、第一項の契約の条項については、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とすす。
- 協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする放送は、これを境界の放送とみなして前三項の規定を適用する。
NHK受信料っていくら?
NHK(Nippon Hoso Kyokai)の受信料は、いくらかかるのでしょうか。NHK受信料は大きく分けて地上放送と衛生放送があります。地上放送でのNHK受信料についてみてみます。
口座振替やクレジットカードで支払うと多少安くなります。しかし、高いです。今の時代毎月これだけの金額を徴収しようとするならば相当の努力が必要なはずです。NHKを見ない方にとって支払わないという選択をする方の気持ちは大変わかります。
テレビ備付の賃貸物件で、NHKの放送受信料を入居者が支払うかの裁判
2015年10月に会社が借り上げたアパートに男性が入居しました。アパートは、テレビ備え付けの賃貸物件でした。男性は、10月末に受信契約の締結を求められ、支払いました。
男性は、その後受信料の支払い義務はないとして、NHKに受信料の返還を求めました。男性の主張は、「テレビを設置したのはレオパレスである。短期間の宿泊施設として利用されるホテルでは、ホテル側が受信料を支払っていることを例に、支払い義務はない」としている。対するNHKは、「受益者負担の観点から、テレビを現実に専有・管理している入居者が実質的な受信設備を設置した者にあたる」としている。
2016年10月27日「物理的・客観的に放送を受信できる状態を作出した者」に支払いの義務があるとの判断を示し、元入居者の男性に受信料の返還を認める判決が下されました。放送法64条では「受信設備を設置した者」に受信料の支払い義務があると定めており、テレビ備え付け賃貸の入居者が「設置した者」に当たるかどうかが争点になっていました。判決は、「受信設備を設置した者」は物件のオーナーまたはレオパレス21であると推認でき、原告の男性でないことは明らかとしNHKは敗訴しました。NHKは、「契約を締結する義務が居住者側にあることを引き続き2審でも訴える」としました。
2017年5月31日、NHK受信料の返還を求めた訴訟が東京高裁でありました。ここで、一審・東京地裁判決を取り消しNHKが逆転勝訴しました。判決理由で「入居者はテレビを占有して放送を受信できる状況にあり、テレビ設置者にある。入居者に受信料の契約を結ぶ義務がある」と判断した。
男性の代理人である弁護士は、「今回の判決の通りであれば、ホテルの客も設置した者に該当して、受信料を払わなくてはならなくなる可能性がある」と話、上告することを話しています。本件については、次の動きを注視する必要があります。