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【農業法人と不動産売買】農地購入の注意点と手続きの流れを解説
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の19巻で出てくる農地法人についてです。
農業の法人化が進む中、「農業法人による不動産売買」に注目が集まっています。特に農地の購入・転用・賃貸借に関しては、農地法や都市計画法など複数の法規制が絡むため、慎重な対応が求められます。
この記事では、農業法人が不動産を売買する際の基本知識・注意点・手続きの流れについて、初心者にもわかりやすく解説します。
農業法人とは?
- 農事組合法人
- 株式会社
- 合同会社
- NPO法人(まれに)
農業法人として認定されるには、農地法や会社法に基づいた条件を満たす必要があり、主に「農業経営を行っているか」がポイントになります。
農業法人が関わる不動産の種類
- 農地(田・畑):「農地の購入には農地法第3条の許可が必要。」「非農業従事者が農地を買うことは原則不可。」「農業法人でも、農業経営を継続して行っている実績が必要。」
- 山林・原野:「農業用施設(倉庫・ビニールハウスなど)設置目的で取得されることも。」「都市計画区域にかかる場合、開発許可が必要になるケースあり。」
- 宅地や雑種地:「社宅・直売所・観光農園などの施設用地として活用。」「農業関連事業での不動産活用も進んでいる。」
農地売買における法的規制と注意点
- 第3条許可:農地の権利移転(売買・贈与・賃貸)
- 第4条許可:農地を農業以外に転用
- 第5条許可:農地を第三者が取得し転用
農業法人であっても、無条件で農地を取得できるわけではなく、市町村の農業委員会の許可が必須です。
農業委員会の審査基準
- 適正な農地利用がされるか
- 農業従事者が法人の主要構成員か
- 経営規模や従業員体制
不動産売買を行う農業法人のメリット・デメリット
メリット
- 規模拡大による効率化(土地をまとめて経営)
- 六次産業化の拠点整備(直売所・加工施設など)
- 節税効果の活用(法人格を持つことで固定資産税の調整も可能)
デメリット・リスク
- 農地法・都市計画法など法令リスク
- 土地価格の高騰地域では取得が困難
- 使用実績や営農計画の整合性が求められる
実際の不動産売買の流れ(農地の場合)
- 農地情報の収集
- 農業法人としての資格・実績確認
- 農地法第3条の許可申請
- 農業委員会による審査(1〜2ヶ月)
- 許可後に売買契約・登記手続き
- 農地の適正利用(農業経営開始)
よくある質問(FAQ)
まとめ|農業法人と不動産売買は専門的な知識が不可欠
農業法人が不動産売買を行うには、農地法や都市計画法など複数の法律をクリアする必要があります。特に農地の取得や転用には、農業委員会の許可が必須であり、法人化すれば簡単に土地が手に入るというわけではありません。
不動産の購入・運用を成功させるには、専門家(行政書士・土地家屋調査士・不動産業者)との連携が不可欠です。計画段階から慎重に進めましょう。