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正直不動産から学ぶ9巻 ~管理費滞納マンションの注意点~
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の9巻で出てくる管理費滞納マンションについてです。
「価格も立地も条件ピッタリな中古マンション。でも管理費や修繕積立金に“滞納”があるらしい…」その物件、本当に購入しても大丈夫でしょうか?管理費や修繕積立金の滞納がある中古マンションは、将来的にトラブルや資産価値の下落を招く恐れがあります。
この記事では、購入前に必ずチェックすべきポイントや滞納がある物件を選ぶ際の判断基準を、わかりやすく解説します。
目次:管理費滞納マンション
- 管理費とは?修繕積立金との違い
- 【要注意】管理費の滞納は、売主から買主に自動的に引き継がれる
- 管理費滞納はどこで確認できる?
- 滞納があった場合の具体的対処法
- まとめ:確認と売主支払いの徹底を!!
管理費とは?修繕積立金との違い
中古マンションを購入する際には、ローンの返済額だけでなく、管理費と修繕積立金の負担も重要です。まずは、管理費と修繕積立金がどのようなものか見ていきましょう。
- 管理費:共用部の清掃・警備・設備保守・管理人の人件費など
- 修繕積立金:外壁や配管など、大規模修繕のための長期的な資金積立
これらは全住民が負担し、マンション全体の維持・資産価値保全に使われます。滞納が多いと、それができなくなる可能性があるのです。
【要注意】管理費の滞納は、売主から買主に自動的に引き継がれる
まず、一番に注意しなくてはいけないのが、購入しようとしている部屋に管理費・修繕積立金の滞納がないかを確認しましょう。滞納がある場合の注意は以下のとおりです。滞納がある場合、売主から買主に滞納額の支払い義務が引き継がれてしまいます。
区分所有法では、マンションの管理費や修繕積立金の滞納額は、売買によって所有者が変わっても、新しい所有者が引き継ぐことになっています。これは「特定承継人」として、前所有者の債務を負担する規定(建物の区分所有に関する法律8条)に基づくものです。
滞納の有無はどこで確認する?
- 重要事項調査報告書(管理会社が発行):不動産会社が売主から売却依頼を受けたら管理会社から取得しています。売却依頼をうけてすぐに取得しているケースと売買契約をする直前で取得しているケースがありますので、取得しているかは確認が必要です。
- 売主にヒアリングする。:不動産会社が売主にヒアリングしています。任意売却物件などの場合は、管理費・修繕積立金が滞納しているケースはかなり多いので注意が必要です。
- 管理組合の総会議事録:マンションの総会で管理費・修繕積立金の滞納が多い区分所有者がいる場合は、催促や法的措置を検討していることもあります。確認するようにしましょう。
- 管理会社へのヒアリング:不動産会社から管理会社に必ずヒアリングしてもらいましょう。重要事項調査報告書で滞納額はわかっても、管理組合・管理会社側が滞納者に対してどの程度催促しているのか、法的処置を検討しているのかは聞いてみないとわかりません。確認してもらいましょう。
滞納があった場合の具体的対処法
区分所有マンションの管理費・修繕積立金の滞納は、買主に引継がれてしまいます。そのため、決済引渡しのタイミングで必ず売主に滞納額をおさめてもらう必要があります。
具体的にいうと、決済引渡日に銀行で買主が売主に売買代金もしくは残代金を振り込んだら、その場で管理会社に滞納を振り込んでもらう、もしくは売主が違う銀行から振り込みたいということがあれば、不動産会社に振込が完了するまで立ち会ってもらう、振り込んだ明細をコピーしてもらってそれを受け取るまですべきです。これは絶対です。後ほど支払うとしてしまうと売主が支払ない場合買主へ滞納額が引き継がれてしまいます。
まとめ:確認と売主支払いの徹底を!!
管理費や修繕積立金の滞納がある物件の売買には、最新の注意が必要です。後戻りできない事態になりますので、しっかりと流れを把握しておくことと信頼できる不動産会社に頼むようにしましょう。