【えっ!知ってた!?】~東京スカイツリーの歴史と今~

東京スカイツリーとは?

東京スカイツリーの名称の由来は?

正式名称が決定されるまでの仮称は「新東京タワー」でした。正式名称は一般公募によって寄せられた中から有識者によって「東京スカイツリー」「東京EDOタワー」「ライジングタワー」「みらいタワー」「ゆめみやぐら」「ライジングイーストタワー」の6つに絞られました。その後、インターネットで一般投票を行い、東京スカイツリーに決定しました。

東京スカイツリーの高さは?いつできたのか?

TOKYO SKY TREE公式HPより

東京スカイツリーは、高さ634mです。高さ350m地点にはフロア350として展望デッキ、高さ450m地点にはフロア450として展望回廊があります。634という数字には、東京近辺の旧国名である武蔵国(「むさし」のくに)の語呂あわせも考慮されたようです。

東京スカイツリー(TOKYO SKYTREE)は2012年2月29日に完成しました。2008年7月に新タワー建設が始まってから、約3年半で建てられたことになります。

東京スカイツリーの歴史

東京スカイツリーの建設地は何の跡地だったのでしょうか!?

航空写真:国土地理院より

東京スカイツリーの建設地は、もともと東武鉄道の貨物列車ヤード跡地でした。その後、東武鉄道が貨物の取扱いを辞めてからは、東武鉄道の資材置き場に使われていた場所です。つまり、スカイツリー建築前も建築後も東武鉄道が所有している土地になります。

東京スカイツリーの候補地は15か所あったの!?

東京スカイツリーの候補地は、15か所ありました。台東区、練馬区、豊島区、足立区、新宿区、さいたま新都心などの公式、非公式、誘致主体についても自治体、地元有志、企業など様々でした。この候補地の状況も多種多様で、新タワーを建てる土地に目途がついているものもあれば、土地取得はこれからという課題を感じるものも多かったようです。

具体的な新タワーの15の候補地としては、以下の通りでした。

  • 台東区:隅田公園
  • 練馬区①:としまえん
  • 練馬区②;光が丘公園
  • 練馬区③:練馬駅北口
  • 豊島区①:東池袋
  • 豊島区②:南池袋
  • 足立区①:舎人公園
  • 足立区②:東六月
  • 足立区③:入谷
  • 新宿区①:新宿6丁目
  • 新宿区②:神宮外苑
  • 墨田区:業平橋・押上
  • 文京区:春日1丁目
  • 港区:芝公園
  • さいたま市:さいたま新都心

15の候補地の中、第一次選定候補地として、「さいたま市(さいたま新都心)」「足立区(舎人公園)」「豊島区(東池袋・造幣局敷地)」「練馬区(としまえん内)」「台東区(隅田公園)
」「墨田区(業平橋・押上)」の6か所とし、第二次選定候補地として、「さいたま市(さいたま新都心)」「豊島区(東池袋・造幣局敷地)」「台東区(隅田公園)」「墨田区(業平橋・押上)」の4か所に絞っています。

2005年に第一候補地として、墨田区(業平橋・押上)が選定され、2006年には新タワー建設地として最終決定となります。選ばれた大きな要因は、各候補地の航空映像にあると言われています。空撮は、候補地の上空500mにヘリコプターを飛ばし、そこに広がる360度の眺望を撮影したものです。墨田区上空からは、墨田川・荒川・東京湾の水辺があり、西には都心の高層ビル群、北から東には広大な関東平野が広がり、南西には富士山が見える。200年前に描かれた「江戸一目図屏風」のようだと委員から賞賛されたようです。決めての一つは眺望だったのです。

参考文献:「誰も知らない東京スカイツリー」

なぜ東京タワーではダメだったのか!?

新タワー建築にあたって、東京タワーを継続利用という案もありました。なぜ、東京タワーではダメだったのでしょうか。理由は大きく3つあります。

理由の一つ目は、都内には高層ビルが増えてきたことで、ビルに電波が阻害されないように高いタワーが必要になりました。そこで、600m級のタワーの案が出てきたということです。

理由の二つ目は、東京タワーの避けられない経年変化です。東京タワーは1958年に営業開始しました。建てられてから約50年が経過しており、巨大地震への備えということが関係していました。

理由の三つ目は、ワンセグやマルチメディア放送といった携帯機器向けの放送を快適に視聴できるようにすることも建築目的でありました。

総事業費は500億円から650億円に、その要因は!?

事業者である東武グループの子会社である東武タワースカイツリー株式会社は、当初総事業費は500億円と想定していました。しかし、総事業費は650億円となってしまいました。その要因は、どういったことでしょうか。

理由の一つ目は、2006年~2007年は不動産ミニバブルでした。この影響で建設資材の高騰が始まっており、スカイツリーの建築にも大きな影響が出たことが要因です。

理由の二つ目は、放送事業者の要請でゲイン塔(スカイツリーのアンテナ部分)の直径が当初よりも大きくなり、強度を高めるためにコストが増えたことも要因の一つです。

参考文献:「誰も知らない東京スカイツリー」

テナント家賃は、坪3万~5万円!?

東京スカイツリー周辺のテナント家賃の相場は、坪単価は1万円前後です。しかし、東京スカイツリーの家賃は、坪単価3万円~5万円です。当初、テナント募集する際に地元の商店を優先したものの賃料が高いことから入居がありませんでした。つまり周辺相場と比較すると高い賃料ということが言えます。

事業主である東武タワースカイツリーは、総事業費650億円を投入していますので、収益も相当高く見積もる必要があったはずです。東京スカイツリーの収益モデルは以下の通りです。

  • 電波塔としてテレビ局から得る施設利用料
  • スカイツリーの入場料
  • 東京ソラマチの店舗賃料、水族館やオフィス等の賃料

東日本大震災の時の東京スカイツリーはどうだったのか!?

東日本大震災が起こったのが2011年3月11日。三陸沖の深さ約24キロメートルで発生したマグニチュード9.0の地震で震度7を記録しています。この時、東京スカイツリーは、建築途中でした。地震当時はどうだったのでしょうか。

東京では、震度5を記録し余震も続いていました。スカイツリーの工事現場では被害は出なかったものの、高層エリアは大きな揺れに襲われていたようです。ただ、この時点で免震・制振装置が出来上がっていなかったにもかかわらず、スカイツリーの基礎工事と塔体地震の強さがあり被害が出ませんでした。電波塔としては耐震性は極めて重要なことです。ここに免震・制振装置が完成すれば、耐震性は問題ないと考えられたのでしょう。

参考文献:「誰も知らない東京スカイツリー」

世界建築物ランキングTOP10 東京スカイツリーは何位!?

ここでは、世界の建築物の高さランキングを見てみましょう。ここでは、ビルと電波塔すべて混在したランキングです。

  • 1位:ブルジュ・ハリファ 高さ828m ドバイ(UAE)
  • 2位:東京スカイツリー 高さ634m 東京(日本)
  • 3位:上海中心 高さ632m 上海(中国)
  • 4位:アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ  高さ601m メッカ(サウジ)
  • 5位:広州塔  高さ600m 広州(中国)
  • 6位:平安国際金融中心 高さ599m 深圳(中国)
  • 7位:高銀金融117 高さ597m 天津(中国)
  • 8位:ロッテワールドタワー 高さ555m ソウル(韓国)
  • 9位:CNタワー 高さ553m トロント(カナダ)
  • 10位:オスタンキノ・タワー 540m(モスクワ)

誰も知らない東京スカイツリー