もくじ
坪単価とは?
不動産の話では、専門用語が多く出てきます。本日は、「一種単価」という言葉について説明していきます。まずは、1種単価の前提となる坪単価の説明から始めます。
坪単価とは、1坪当たりの土地の単価をいいます。例えば、土地面積100坪、土地価格2億円だった場合の坪単価は、坪200万円となります。
- 坪計算方法:2億円÷100坪=坪単価200万円
一種単価とは?
一種単価とは、容積率100%当たりの土地の単価をいいます。
例えば、土地面積100坪、容積率400%、土地価格2億円だった場合の一種単価は、一種50万円となります。
- 坪単価計算:2億円÷100坪=坪単価200万円
- 一種単価計算:坪単価200万円÷4種=1種単価50万円
一種単価はデベロッパーの用語!?
一種単価の話が一番出てくるのは、デベロッパーの仕入れ担当者と話をする時です。彼らは、例えばマンション用地の土地代を算出する際の計算方法を坪単価ではなく、一種単価で計算していきます。
また、マンションデベロッパーは、土地を仕入れるために、下記のように出口から逆算して土地代金を算出していきます。
- 分譲するマンションの価格を想定する。
- プロジェクトの販管費と利益を想定する。
- いくらで建物を建築することができるか想定する。
- いくらで土地を仕入れられるか?(一種単価いくらの土地を仕入れるか)
分譲マンション相場が既にあり、費率と利益率は把握しており、建築費もある程度わかっています。デベロッパーは、逆算で一種単価(土地値)がいくらかという計算をします。次は、具体的に計算方法を見ていきましょう。
一種単価の具体的な簡易計算方法
上記が、一種単価の簡易計算方法です。一種単価の目安がわかります。土地の仕入れ代金(一種単価)から売出のマンション価格を算出するという計算内容です。具体的に説明していきます。
ファミリーマンションとワンルームマンションでは、建築費や係数が異なります。建築費は、ワンルームマンションの方が狭小敷地に高い建物を建てる傾向があるため、必然的に高くなります。係数は、マンションデベロッパーの販管費と利益ですが、ファミリーマンションとワンルームマンションで係数が異なります。これは、販管費が異なるからです。例えば、ファミリーマンションでは、モデルルーム用の土地を借りてモデルルームを作ります。ワンルームマンションは、電話営業で販売していきます。そのため、ワンルームマンションの方が、経費が少なく済むためです。
※上記の一種単価計算は、土地代(一種単価)が決定して、エンドユーザーに売却するマンションの専有坪単価とマンション価格を算出されます。
※ファミリーマンションは、3LDK70㎡(21.175坪)のお部屋、ワンルームマンションは、1R25㎡(7.56坪)のお部屋を想定しました。
マンションデベロッパーの仕入れの考え方は、このような形です。また、投資家が土地に、建物を建築し、賃貸することを想定する場合も一種単価の概念が出てきます。覚えておくと便利です。
一種単価の計算での注意点
一種単価計算での注意点があります。一種単価の計算は、容積率100%あたりの土地の単価です。この容積率は、実行容積率に対してのものになります。容積率は、大別すると指定容積率、基準容積率、実行容積率に分けられます。
指定容積率とは、都市計画法で指定される容積率です。役所の都市計画課で用途地域、建ぺい率、容積率を聞いた時に教えて頂くものです。
基準容積率とは、建築基準法で制限される容積率です。例えば、商業地域、建ぺい率80%、容積率400%、道路幅員6mの場合、通常基準容積率が360%になります。
建築基準法52条2項 前面道路の幅員による容積率の制限
前面道路の幅員が12メートル未満である建築物の容積率は、用途地域で定められた数値を当該前面道路の幅員に乗じたもの以下でなければならない。
実行容積率とは、実際に建てられている容積率です。マンションを建築する場合、必ずしも容積率を消化しきることがベストとは限りません。そのため、実際に消化しきれる容積率を把握することが必要となります。
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