新築マンションを買ったら2割下がるのは本当でしょうか?
理屈はその通りですね。実態はどうかご説明しましょう!!
もくじ
新築マンションを買ったら2割下がるの根拠は?
デベロッパーの収支の考え方
新築マンションを買ったら2割下がると言われますが、その根拠はなんでしょうか!?答えは上の表です。新築マンションを分譲するデベロッパーは、土地を購入し、マンションを建築し、事業として利益をえます。理論的には、業者利益の2割は購入者が住んで中古となった時点で無くなるということです。新築マンションを買ったら2割下がると言われるのはこのためです。
ちなみに、デベロッパーの粗利益は2割としていますが、実際の利益は8%~15%程度(デベロッパーや案件により異なる)が多いでしょう。原則は新築マンマンションを買ったら2割下がりますので、後悔しないように検討しましょう。
新築マンションと新築戸建てで違うのか?
- マンションと戸建ての耐用年数の違い
- 中古の需要の違い
新築マンションと新築戸建てで値下がり率は違うのでしょうか。結論違います。新築戸建ての方が値下がり率が高いです。理由は2つあります。
一つ目は、建物の耐用年数の違いです。マンションは鉄筋コンクリート造で耐用年数は47年、戸建ては木造で耐用年数は22年で考えます。不動産の価格は土地価格と建物価格の総和です。つまり戸建ての建物の方が毎年建物価格の下落率(値下がり率)が高いのです。理論上築後22年たつとマンションは建物価格は約半分、戸建ては建物価格は0円となります。
二つ目は中古になった時の需要(購入したい人)がマンションの方が戸建てより多いことです。大抵の場合、戸建ては新築で買って中古で売るときに儲かることはないでしょう。マンションの場合は、新築で買って中古で売るときに儲かる場合もあります。詳しくは次の章で説明します。
新築マンションが値上がる2つのケース
- デベロッパーの価格設定が間違っていた
- 不動産相場が上向きな時
デベロッパーの価格設定が間違っていた
新築マンションが値上がるパターンは大きく二つあります。一つ目は、デベロッパーの価格設定が間違っていた時です。これはあまりないことです。なぜならデベロッパーは不動産のプロだからです。ただし、たまに不思議な歪みのようなことが起きます。
例えば、住友不動産の定期借地権マンションであるシティータワー品川。2008年築のマンションは、当時坪単価120万と格安です。その後、新築時の価格を割ることなく中古市場で上昇し、2023年現在、坪400万円台となっています。今だと、HARUMIFLAG(ハルミフラッグ)が似た印象を持っています。
不動産相場が上向きな時
新築マンションは、不動産相場が上向きの場合、物件によって値上がります。あまり不動産に詳しくない方は、新築マンションなんて買って住んで中古になったら2割安くなるからあり得ないと否定する方もいます。しかし、必ずしもそういうわけではありません。
まず、不動産の価格はどのように決まっていくのでしょうか。物の価値を把握するには色々な角度からみることが必要です。物の価格には三面性があります。それは、費用性・市場性・収益性です。
- 費用性:その物をつくるにあたり、どれほどの費用がかかったか。
- 市場性:それがどれほどの値段で、市場で取引されているか。
- 収益性:それを利用することによって、どれほどの収益が得られるか。
不動産価格も同様に3つの観点から見ることにより、不動産の価格を形成しています。これを新築マンションで不動産相場がいい時に当てはめていきましょう。
新築マンションは、デベロッパーがマンションを建築し、そのマンションをつくるにあたりどれほどの費用がかかったかを根拠に価格設定が導かれています。(費用性)その後、新築マンションが全戸完売し、初めて中古市場で売買が新築時の10%高く取引がされたとしましょう。2人目が中古物件を売却する時にデベロッパーがどれほどお金をかけたかという費用性の考えは薄れ、1人目が中古市場でいくらで売却したか(市場性)の考えが強くなります。
不動産相場が上向きの場合、理論的にはこのように値段があがっていきます。新築マンションをすぐ売る理由は、転勤・離婚などもあると思いますが、不動産市況が上向きの場合、最初から転売を考えて購入している方も一定数いるくらいです。
本日の結論は、理論的には新築マンションを買ったら2割下がりますが、不動産相場が上向きの場合、新築マンションの値付けが市場と相違している場合、必ずしも下がるわけではないということを覚えておきましょう。