もくじ
なぜ、リゾートマンションを持っているいるのですか!?
この記事を見に来てくださった方は、リゾートマンションを所有して売却を検討している方も多いと思います。そんな方に質問です。あなたは、なぜリゾートマンションを持っているのでしょうか!?
親から相続を受けて所有している人、バブル期に別荘感覚で自分で購入したけど使っていない人などがいると思いますが、現時点で定住していないのであれば売却1択だと思います。つまり、リゾートマンションは、定住していないのであれば、不要と考えた方がいいでしょう。
リゾートマンションが売れない4つの理由
- 管理費、修繕積立金が高い
- 不便な立地の物件が多い
- リゾートマンションは老朽化が早い
- 仲介会社が儲からない
一つ目は、管理費・修繕積立金が高いことです。リゾートマンションの特徴は、豪華な共用部分です。温泉や大浴場が付いていたり、テニスコートが完備されている物件もあります。共用部分が豪華であればあるほど、管理費・修繕積立金が高いということが言えます。コストが高い物件は売りにくいです。
二つ目は、不便な立地の物件が多いことです。通常の分譲マンションでは、定住することが前提のため、立地条件に拘ります。しかし、リゾートマンションは、短期滞在を目的とした、例えばスキー場へのアクセスがいいもの、海へのアクセスがいい、利便性よりも眺望や閑静なエリアといった条件で新築時作られています。そのため、商業施設や医療施設が近くにあることは少ないため不便です。
三つ目は、リゾートマンションは老朽化が早いということです。リゾートマンションは海辺や雪が降るような環境条件の地域に建てられていることが多いです。海辺であれば塩害があるので建物の痛みは早いです。温泉付き物件は、配管の痛みはが早いです。建物が古くなればなるほど、問題は顕著化していきます。
四つ目は、不動産仲介会社が儲からないということです。不動産を売却する場合、仲介会社に依頼することになりますが、例えば100万円の売買が成立したところで、仲介会社に入ってくる手数料は、5万円(税別)になります。これでは賃貸仲介よりも儲からないです。仲介会社からすると、売却しずらく、労力がかかる、地方で交通費もかかる、儲からないでは、前向きに仕事をしてくれる不動産会社が少ないのは無理もないでしょう。
湯沢町のリゾートマンションの実態
スキーブームであったバブル景気のころ、新潟県湯沢町にリゾートマンションが乱立しました。湯沢町には、58棟の約1万5千戸のリゾートマンションが存します。東京カンテイによると、全国のリゾートマンションの戸数が8万戸存しているので、日本全体の約2割程度であることがわかります。
バブルのころ、リゾートマンションは金持ちの象徴だった。ところが、バブルが崩壊すると投げ売り状態になり、価格は大きく下がる。所有者がこなくなり、管理費などを集められない部屋が増えてくるため、裁判所の「競売」で強制的に売却される物件もでてくる。・・・
湯沢のリゾートマンションを取り扱うに新潟地裁長岡支部で競売にかけられた、あるリゾートマンションの報告書には次のように書いてある。・・・
裁判所の報告書には、滞納額は調査時点で約589万円と書かれている。・・・
物件の評価額としては、約75万円と評価されている。1平方メートルあたり約9600円だ。ただし、これは滞納がない場合の価格で、先述の589万円の滞納を払わないといけないことを考えると、この値段では売れない。価格は実質マイナスだが、競売で落札した人にお金を渡すわけにはいかない。そのため、裁判所は最終的に最低入札価格を1万円と設定した。これは会計用語で備忘価格と言われるもので、存在を否定するわけにはいかないために、形だけ価格をつけている物件ということだ。・・・最近の競売は、滞納が多くて1万円になる物件がほとんど・・・
「負動産時代 マイナス価格となる家と土地」朝日新聞取材班より
売却ターゲットは誰か!?
買主:「定住者」→地場不動産仲介、リゾート専門不動産会社
買主:「不動産会社」→リゾート専門不動産会社、仲のいい不動産会社
買主:「投資家」→リゾート専門不動産会社、収益物件専門の不動産会社
リゾートマンションを売却しようとした場合、ターゲットを考えましょう。
例えば、定住者をターゲットに売却活動をしたいと考えた場合、地場の不動産会社やリゾート専門不動産会社に売却を頼むのがいいでしょう。不動産業者に買い取って貰いたい場合は、リゾート専門不動産会社や自分が仲のいい不動産業者に相談するといいでしょう。また、現在賃借人がいて賃料収入がある場合は、収益物件として売却することになりますので、収益物件専門の不動産会社に相談すべきでしょう。
リゾートマンションを実際に売った2つの方法
ここでは、私が売却したことがあるリゾートマンションの2事例を紹介したいと思います。共にどうしても売りたいというケースでの事例です。極端な例ですが、それだけリゾートマンションは売りにくいということです。
都心物件とのバルク
ご所有者の方は、リゾートマンション物件が売れないと事前に分かっていました。今回のケースは、都内の優良物件である収益物件の売却とセットでリゾートマンションを売却したお話です。
都内の収益物件Aの売却希望価格1億円、リゾートマンションBは0円として営業を開始しました。つまり、収益物件を購入したい場合、リゾートマンションもセットで付いてくるということです。買手は不動産会社でしたので、優良な収益物件の取得にあたって、リゾートマンションが付いてくるのは仕方がないと考えで、セットで購入して貰いました。
売買価格1円で売却する
リゾートマンションは、インターネットで探すと10万~30万程度の安い物件から、200万~300万くらいの物件も出てきます。
最近では、所有者が150万円を買主に払って引き取って貰ったというような話も聞きます。この150万というのは、その後3年間保有していた場合の管理費・修繕積立金・固定資産税等がかかる経費分ということです。
私が取引した時も所有者の方は、手放せればいくらでもいいということでした。しかし、0円だと贈与ということになり、あとあと面倒であるという買主の要望により売買価格を1円に設定したという経緯です。もちろん仲介としては、入らず直接契約してもらっています。