正直不動産から学ぶNO3「融資特約」

正直不動産 3巻 融資特約

正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の3巻で出てくる融資特約についてです。

導入:融資特約とは?

  • 不動産購入時にローンが通らなかった場合に契約を白紙解除できる条項
  • 住宅ローンを利用する買主にとっての重要な安全策
  • 正しく理解していないとトラブルに発展する可能性も

融資特約の基本的な仕組みは、売買契約後に住宅ローン審査が否決された場合に売買契約を解除することが可能となります。基本的には、売買契約書で対象となる金融機関を指定して、解除できるのは、指定された銀行・金融機関に限られる場合が多いです。なお、融資特約が適用されれば手付金は返還されます。

融資特約の4つの注意点

解除権の留保

具体例を出して話をしていきます。

  1. 融資が不成立の場合、無条件で契約解除になるパターン
  2. 融資が不成立の場合、契約解除するかどうか買主が選択するパターン(解除権留保型)

おそらく多くの売買契約では②の契約書となっているはずです。つまり、解除したい旨を期日までに書面をもって通知しなければなりません。

補足すると本気で購入したいと思っている人が1つの金融機関に審査不成立になって無条件で契約解除になることを避けて、買主が他の金融機関にあたろうor両親に少し出資してもらって融資金額を低くしてでも買いたいというニーズもあるためです。一方で解除権の留保を悪用する不動産会社もいます。気をつけましょう。

正直不動産3巻でもこの点注意がされています。

自己都合はNG

悪意がある場合で、自己都合でローンを申し込まない場合は特約が適用されないことがあります。例えば、契約後にやっぱり購入したくなくなったので、融資の申し込みをしないで、融資特約で解除しようとしても出来ないですよということです。

事前審査OK=本審査OK

ローンの審査には、事前審査通過後に本審査で落ちるケースがあります。例えば、事前審査後に収入に変動があったり、他に借入があったりなどいくつか代表的なパターンがあります。

指定する金融機関

たいていの融資特約は、売買契約書に記載された金融機関のみ適用できることが多いです。そのため、打診する予定のある金融機関が複数である場合には、売買契約書で指定する融資特約の金融機関も複数行の記載をしておきましょう。

買主ができるリスク回避策

  • 契約前にしっかり事前審査を受ける:できるだけ確実な融資承認を得てから契約しましょう。
  • 特約の内容を確認し理解する:適用範囲や期限、解除権の留保なのか、万一解除する場合どうするのかを確認しましょう。
  • 複数の金融機関で審査を受ける:1社だけでなく、複数の金融機関にローン審査を申し込みましょう。
  • 契約時に不明点を必ず仲介業者や専門家に相談する

まとめ:融資特約を理解し、安全な不動産取引を

融資特約は買主にとっての重要な保護措置です。ただし、条件次第では適用できないこともあるため、事前に慎重に確認することで、安全な契約を進めることができるでしょう。