ルノアールの収入源は立退料って本当か!?喫茶チェーンの裏側を徹底解説

ルノアールとはどんな会社?

ルノアールは、首都圏を中心に「喫茶室ルノアール」「NEW YORKER’S Cafe」「カフェ・ルノアール」など複数ブランドを展開するカフェチェーンです。

  • 主力は喫茶室ルノアール
  • 店舗の多くは都市部の駅前一等地
  • 落ち着いた空間や席の広さがビジネス需要にマッチ

このように、単なるカフェというより「都市の打ち合わせスペース」として長年の支持を集めています。

ルノアールと「立退料ビジネス」の関係とは?

実はルノアールのビジネスモデルを語る際によく取り上げられるのが 立退料(立ち退き料) です。

立退料とは?

立退料とは、不動産オーナーが再開発や建て替えをする際に、テナントに対して「出ていってもらうために支払う補償金」のことです。

ルノアールが注目される理由

  • ルノアールは都市部の好立地に長期的に店舗を構える
  • 契約更新を繰り返し「借家権」を強める
  • ビル建て替え時に退去を求められると、オーナーは高額な立退料を支払わざるを得ない

そのため「ルノアールはコーヒーよりも立退料で儲けている」という見方が生まれているのです。

実際のところ収益構造はどうなっている?

ルノアールの有価証券報告書や決算短信をみると、収益の大部分は飲食事業からの売上です。つまり「立退料が主要収入源」というのは少し誤解があります。

ただし、決算書の特別利益として「立退料収入」が記載されるケースがあり、これがネット上で強調されて拡散しているのが実情です。

  • 立退料は 臨時収入 であり、毎年安定して入るわけではない
  • しかし、一等地に多く出店しているため発生する可能性が高い
  • 事業リスク分散の一つとして「不動産的価値」が注目されている

ルノアールの強みは「不動産戦略」にあり

立退料が本業ではありませんが、ルノアールが好立地に長期出店していることは事実です。

  • 一等地でブランド力を維持
  • 再開発時に交渉力を持てる
  • 本業(喫茶事業)+副次的収益(立退料)という二重の強み

つまり、ルノアールは「コーヒーで稼ぎながら不動産戦略でも得をする」独自モデルを築いているといえるでしょう。

第62期 直近の有価証券報告書では立退料はいくらあるか?

第62期(2024/04/01-2025/03/31)ルノアール有価証券報告書より

上記は、2025年3月期の有価証券報告書の一部です。直近の2024年4月1日~2025年3月31日は受取補償金はありませんでした。1年前の2023年4月1日~2024年3月31日が47,407千円ということで、約4700万の受取補償金があったことがわかります。

立退料の交渉は、簡単ではありません。老朽化した古いビルを立ち退かせたい側のオーナーとしての主張とテナントの主張はなかなか一致しません。立退き料の交渉は何年もかかり、話し合いでは解決せず、調停、裁判になることも少なくありません。もちろんお互いが金銭的な要求の場合は、金額だけの折り合いのみで意外と話が早く進むこともあるでしょう。

いずれにしてもルノアールという喫茶店を運営するだけでなく、内部にプロがいること、信頼できる弁護士などのチームがいないと難しいでしょう。

まとめ

「ルノアールの収入源は立退料」という噂は誇張されています。実際には喫茶事業が主力ですが、好立地戦略によって 立退料が臨時収益としてプラスになる 点は他のカフェチェーンにはない特徴です。

今後も都市再開発が進む中で、ルノアールの不動産戦略は投資家や不動産業界からも注目され続けるでしょう。