電柱は移設できるか?

電柱は移設できるのか?

自宅を建てる時、アパートを建てる時、電柱の位置をずらしたいと思うことがあると思います。私もありました。電柱は移設できるのか?有償?無償?どれくらい時間がかかるのか?疑問に一つずつ解説していきたいと思います。

そもそも電柱は誰が管理しているのか?

電柱の多くは、NTTや電力会社の電柱ということが多いです。見分け方としては、電柱に電柱番号が書いてあります。番号がないこともありますが、NTT東日本や東京電力の場合は、管理のため電柱番号が付いています。問い合わせをする場合のために、現地に行ったら電柱番号を控えるか写真に残しておきましょう。

電柱移設が無料でできる場合

「自分の敷地内にある電柱」を「他の自分の敷地内に移動する」場合は無償で移動することができます。つまり、もともと邪魔ではなかったが、建物を新築するため、電柱が邪魔になる場合などです。

私の考え方としては、電柱所有者からすると敷地内に入れてもらっているから、これからも敷地内に入れてもらえるなら無償で対応しますよという認識でいます。

電柱移設が有償となる場合

自分の敷地の前にある(電柱は公道)電柱は移設できることが多いですが、同じ公道上に移動する場合は、費用がかかります。経験則的な話ですが、費用はおおよそ20万円~35万円程度を考えておけば大きくずれることはないでしょう。

私の考え方としては、公道にある電柱を公道に違う場所に移動するということは、電力会社側からすると特にする必要もないものですので、お金を払ってくれるなら対応しますよという認識でいます。

電柱移設にどれくらい時間がかかるのか?

NTT東日本公式HPより

上記はNTT東日本の公式HPのものですが、電柱移設は、約3ヶ月~6か月ほど考えておけば大きなずれはないでしょう。

電柱が移設できないこともある?

電柱が移設できない場合もあります。

  • 自分の敷地から公道に出す場合(市の許可が必要で許可が下りないことが多い)
  • 自分の土地から他人の土地へ移設しようとする場合(他人の方の承諾が必要です)
  • 移設先に水道やガスが埋設されている場合
  • 少しの移動(移設の手順上難しい)

電柱移設は拒否できるのか?

電柱移設トラブル

よくあるパターンとして、「自分の敷地」から「他人の敷地」へ電柱を移設する場合「自分の敷地の前の公道」から「他人の敷地の前の公道」に移設する場合です。もうこれは交渉次第としか言いようがありませんが、電柱を管理している会社に間に入ってもらい、嫌なものは断る形でいいかと思います。我慢するものでもありませんし、その場合は拒否しましょう。

電柱移設の判例

  • 私道上の電柱移設を希望する私道持分所有者が、移設に反対する私道持分所有者に対し、民法251条または252条に基づき、移設に協力をする、または、移設に同意する信義則上の義務があるとして、移設に応じない行為は継続的不法行為を構成するとして、移設と慰謝料等の支払いを求めた事案において、どちらの義務も認められないとして請求が棄却された事例があります。

(東京地判 平30・1・31 )