仮登記とは?
仮登記は、将来の本登記のためにあらかじめ登記上の順位を確保しておくための登記です。仮登記は、あくまでも「仮」ですから、順位を保全する効力しかありません。つまり、本登記をすることで完全なものになるということです。
不動産登記法第106条
(仮登記に基づく本登記の順位)
第106条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。
なぜ仮登記をするか?
不動産売買では、売買契約時に手付金を買主が売主に支払って、数ヶ月後に残代金決済・物件の引渡しを行うことが一般的です。売買契約締結後、引渡前にはある一定の期間があります。例えば、売主Aが買主Bと売買契約を結んだあとに、Cに二重に売却して、Cが先に所有権移転登記をしてしなうと買主Bはその不動産を取得できません。不動産は、権利変動の優劣が登記の先後で決定するからです。このような状態を避けるために仮登記をすることがあります。ただし、稀です。ほとんど仮登記をするケースは少ないです。
仮登記申請は?
(仮登記の申請方法)
第107条
- 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第60条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
- 仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第22条本文の規定は、適用しない。
仮登記は、登記権利者と義務者が共同で申請します。ただし、あくまで仮の登記であるということから手続きは簡素です。例外として、登記義務者の承諾があれば、登記権利者が単独で登記申請ができます。
仮登記を本登記にするには?
第109条
- 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
- 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。
仮登記の本登記申請は、通常の登記と一緒です。