「1分80m」 不動産の徒歩表示の根拠は!?

不動産の徒歩表示

不動産のチラシやインタネットで物件情報を見ていると、駅距離について記載があります。例えば、「JR山手線渋谷駅徒歩5分」と書いてあったとします。そこで実際歩いてみると、その時間ではつかないということは結構あります。たいてい、実際歩いてみた時間より短く表示されていることが多くないでしょうか。本日は、駅距離の徒歩表示の根拠が、どこから来ているについてお話をしていきたいと思います。

 

不動産の表示に関する公正競争規約

不動産の徒歩表示は、「不動産の表示に関する公正競争規約」というもので決められています。具体的には、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第5章第1節10条10項に「徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること」とあります。

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ちなみに、不動産公正取引員会が昭和38年に決めたものです。その際、役所に勤めていた女性の方にヒールで廊下を歩いて貰ったところ、1分で80mであったために採用されたと言われています。分速80mということになります。

実際はどうなの?

不動産の表示では、上記の通り1分=80mで計算しています。しかし、表示上は同じ時間でも、駅から信号待ちが多い所、そうでない所では実際に歩いてかかる時間は違うこともあります。ちなみに、距離は、直線距離ではなく道路距離をもとに算出されることになります。いくつか例を見ていきたいと思います。

  • 駅から900mだった場合は、徒歩何分でしょうか。この場合、徒歩12分表示となります。
  • 駅から1000m(1キロ)だった場合は、徒歩何分でしょうか。この場合、徒歩13分となります

また、おおざっばな不動産屋さんは、実際には通れない場所を通れると地図上で判断して計算したり、以前に使っていた販売図面の使いまわしだったり、なかには、徒歩11分だと物件が売りにくいので徒歩9分にしてしまうといったものもあります。精度はさまざまです。そのため、駅距離は、ご自身で物件を見に行った際に、駅から物件まで歩いてみて体感するということが重要です。