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空き家問題とは?背景・リスク・対策まで徹底解説
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の19巻で出てくる空家についてです。
近年、日本では空き家問題が社会課題として深刻化しています。総務省の調査によれば、全国の空き家数は年々増加し、2023年時点で約900万戸以上(全住宅の14%以上)に達しています。
この記事では、
✅ 空き家問題の原因
✅ 放置によるリスク
✅ 空き家の対策・解決策
について、不動産や相続に詳しくない方でも分かるように丁寧に解説していきます。
空き家とは?|まずは定義から確認
「空き家」とは、1年以上誰も住んでおらず、管理もされていない住宅を指します。以下のような種類に分かれます:
- 一戸建て空き家(相続などで放置されがち)
- アパート・マンションの空室
- 賃貸用や売却予定の空き物件
空き家問題というと、主に長期間放置された住宅の老朽化や管理不全がもたらす社会的問題を指します。
空き家問題の背景と原因
- 高齢化と相続の問題:高齢者が施設へ移った後、子ども世代が遠方に住んでいて管理できないケースが多発しています。
- 地方の人口減少:過疎化が進む地域では、買い手・借り手がつかないまま空き家が増加しています。
- 税制や手続きのハードル:「相続登記の未実施」「解体費用の負担」「税金(固定資産税)が安くなる制度の弊害」
これらが、「空き家を放置したほうが得」という意識を生み出している側面もあります。
空き家を放置することのリスク
- 建物の劣化・倒壊の危険:老朽化により近隣に迷惑をかける事故のリスクが高まります。
- 放火や不法侵入のリスク:「空き家は火災リスクが高く、犯罪の温床にもなりかねません。」「実際に放火の被害に遭った空き家のニュースも増加傾向にあります。」
- 行政から「特定空家」に指定される可能性:2015年の「空家等対策特別措置法」により、管理が不十分な空き家は、行政から「特定空家」に指定され、指導・勧告、命令、強制解体(代執行)が行われる場合もあります。
空き家対策の具体策5選
- 空き家バンクの活用:自治体が運営する空き家情報のマッチングサービス。売却や賃貸を希望する所有者に有効です。
- 相続登記の義務化(2024年4月スタート):相続による土地・建物の登記が3年以内に義務化されました。名義を明確にすることで売却や解体の準備が進められます。
- 解体+更地利用(補助金制度あり):自治体によっては、解体費用を一部補助する制度があります。売却・貸付が困難な場合、解体+駐車場転用なども選択肢です。
- 空き家管理サービスの利用:遠方に住む相続人にとっては、月額数千円で見回り・清掃をしてくれる業者が心強い味方になります。
- リノベーションして利活用:耐震・断熱性能を高めて賃貸住宅やカフェ、シェアハウスなどに再生する事例も増えています。補助金の活用も検討しましょう。
よくある質問(FAQ)
まとめ|空き家問題は「放置せず、行動すること」がカギ
空き家問題は、個人の問題であると同時に、地域や社会全体に影響を与える深刻な課題です。
放置はデメリットばかりで、**早めの対策が「資産の有効活用」と「トラブル回避」**につながります。
- 相続登記をすぐに行う
- 解体・利活用・売却の選択肢を検討する
- 行政の制度や補助金をうまく活用する
「誰に相談してよいかわからない」場合は、不動産会社や司法書士、行政の空き家相談窓口に連絡することから始めましょう。