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他人物売買とは?仕組みと注意点を徹底解説!
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の21巻で出てくる他人物売買についてです。
不動産売買における「他人物売買」という言葉をご存じでしょうか?一見すると違法な取引に見えるかもしれませんが、実は民法上、一定の条件を満たせば有効とされる契約形態です。
しかし、取引には多くのリスクが潜んでおり、トラブルになるケースもあります。この記事では、他人物売買の概要と注意点について、法律と実務の両面からわかりやすく解説します。
他人物売買とは?
他人物売買(たじんぶつばいばい)とは、売主が現時点で所有権を持っていない物件を第三者に売却する契約を指します。
たとえば、親が所有する土地を子が勝手に売る、まだ登記移転が済んでいない不動産を売るケースなどが該当します。
他人物売買がなぜ有効なのか?
民法第560条では、「売主が他人の物を売った場合でも、売主がその物を買主に引き渡せば売買契約は有効」とされています。
つまり、売主が後から所有権を取得し、買主に引き渡す意思と能力がある場合には、契約自体は有効と判断されるのです。
他人物売買でよくある事例
- まだ相続登記が済んでいない不動産の売却:→ 実質的に相続人が所有していると認識しても、登記が無い場合は「他人物売買」に該当します。
- 転売目的で買い付け前に売却するケース→ 仕入れ予定の物件を第三者に転売する業者の動き。契約不履行のリスクあり。
他人物売買のメリットとリスク
- 条件が整えばスピーディーな契約が可能
- 転売益を狙う事業者にとっては柔軟性がある
- 売主が所有権を取得できない場合、契約不履行となる
- 損害賠償や契約解除などの法的トラブルに発展する可能性
- 登記名義人との意思不一致で問題化することも
他人物売買をする際の注意点
✅ 登記名義人の同意確認
→ 必ず登記簿謄本を取得し、売却者と登記名義人が一致しているか確認。
✅ 所有権移転の見込みを確認する
→ 相続や名義変更の進行状況を確認し、現実的な引渡しが可能かをチェック。
✅ 契約書に「停止条件」や「解除条件」を明記
→ 所有権が取得できなかった場合に備え、買主を守る条項を盛り込む。
✅ 司法書士・弁護士に事前相談する
→ リスク評価と適切な契約内容のチェックが必須。
トラブルを防ぐための対策
- 売主の登記情報を必ず確認する
- 媒介業者の宅建士に「重要事項説明」で明示を依頼する
- 契約前に「所有権移転の見込み」を明文化する
- 売主・買主双方で「実際の所有者の同意書」などを交わす
まとめ
他人物売買は、民法上は有効とされる契約形式ですが、「所有権が本当に移るかどうか」が最大のリスクポイントです。特に不動産売買では、登記名義人と契約当事者の一致確認が最重要です。
不動産の取引に慣れていない個人や、投資家、相続案件に関わる方は、専門家への相談を強くおすすめします。
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