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逆ザヤサブリースとは?仕組みとリスク、対策を徹底解説
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の20巻で出てくる逆ザヤサブリースについてです。
近年、投資用不動産の運用で注目される「サブリース契約」。しかし一方で「逆ザヤサブリース」という言葉が注目され、問題視されています。これは家賃収入よりもサブリース会社への支払いが上回る状態を指し、不動産オーナーに大きな損失をもたらす可能性があります。
この記事では、逆ザヤサブリースの仕組みや問題点、回避するためのポイントをわかりやすく解説します。
逆ザヤサブリースとは?
サブリース契約とは、不動産オーナーが管理会社(サブリース会社)と契約し、賃貸運営を一括で任せる仕組みです。毎月固定の賃料がオーナーに支払われるため、「家賃保証」として安心感があるとされてきました。
しかし、契約当初の条件が変わり、オーナーへの支払い賃料よりも実際の入居者から得られる賃料が下回る状況になると、「逆ザヤ(赤字)」が発生します。
なぜ逆ザヤが発生するのか?
- 周辺相場の下落:築年数が経過するにつれ、エリアの賃料相場が下がることがあります。その場合、入居者から得られる家賃が想定よりも少なくなります。
- サブリース会社の減額通告:サブリース会社には契約上、オーナーへの賃料を減額できる条項がある場合があり、一方的に減額されるリスクがあります。
- 空室リスク:空室期間が長く続くと、サブリース会社が得る収益も減少し、その負担がオーナーに転嫁される可能性があります。
逆ザヤによる具体的なリスク
- 毎月の赤字が発生:ローン返済に対し賃料収入が足りず、自己資金で穴埋め
- 資産価値の低下:キャッシュフローが悪化すると、物件の売却価格にも影響
- 契約解除の困難:サブリース契約は長期(10〜30年)で解除しにくい
- トラブル発生:オーナーとサブリース会社の間で訴訟に発展する例も多数
逆ザヤを防ぐための対策
- 契約前に「減額条項」を確認:サブリース契約書の中に、「賃料見直し」や「解除条件」の項目があるか要チェック。
- 家賃保証の「保証率」に注意:保証される賃料が市場賃料の80〜90%である場合、将来的に逆ザヤの可能性が高くなります。
- 複数の管理会社と比較:一社の言いなりにならず、複数社と条件を比較することで、適正な契約内容を見極めることができます。
- 弁護士・不動産専門家に相談:契約の前後で不安がある場合は、第三者の専門家にアドバイスを仰ぐことが重要です。
よくある質問(FAQ)
まとめ
逆ザヤサブリースは、契約前に仕組みを正しく理解し、将来のリスクを見越して対策をとることが最重要です。「安易な家賃保証」は後の大きな損失につながることもあるため、慎重な判断が必要です。
不動産投資を成功させるためには、「契約条件の見極め」と「適正なリスク管理」がカギとなります。