ローン完済した後に、抵当権抹消しないと不都合ってあります?
本日はこういった疑問にお答えします。
もくじ
抵当権って何だったか復習しよう。
抵当権とは、住宅ローンなどを借りるときに、金融機関が購入する不動産の土地・建物に設定する権利のことを言います。
抵当権は、住宅ローンの返済が滞ったときのために、あらかじめ土地や建物を担保としておくもので、 支払いが滞ると金融機関主導で、競売や任意売却にて不動産を売却し、資金回収に充てます。つまり、金融機関は、貸したお金の回収が出来なくなった時のリスク回避として、抵当権の設定を求めるわけです。
住宅ローン完済後に抵当権を抹消しないとどうなる?
本日の本題ですが、住宅ローン完済後に抵当権を抹消しないといけないという法律があるわけでもなく、罰則もありません。ただし、抵当権を抹消しないで放置しておくと面倒なことがありますので注意が必要です。
新たにローンを組む際に面倒
例えば、借りていた自宅のローンの返済が終わって抵当権抹消をしないでいたとしましょう。ある時、自宅を買換えようとなりました。
買換えで購入する自宅は、ローンの場合に、金融機関から「今のご自宅に抵当権が設定されていますが・・・」という話になります。現在、住宅ローンは原則2つ借りることが出来ません。そうすると、今の自宅についている抵当権がローンの支払いが終わって、残高がないことを証明しないといけません。
金融機関の登記情報が変わり、煩雑になる
日本のバブル崩壊後の平成の時代では、大手金融機関をはじめ破綻した銀行も少なくありません。また、金融機関の多くは合併を繰り返しています。
住宅ローンの返済が終わり、抵当権を抹消しないでおくと、その金融機関が破綻したり、合併したりしていることがあります。これは結構あります。抵当権をほっといている方は出くわすと考えておいた方がいいでしょう。
この場合、いざ抹消手続きをしようとすると手続きが煩雑で時間がかかります。気を付けましょう。
自分で抵当権抹消は出来るか?
住宅ローンを完済した後の抵当権抹消は、自分で抹消することは十分可能です。手続きも他の登記関係に比べて難易度が高くありません。
必要な書類を準備して、抹消したい不動産を管轄する法務局に提出することになります。
抵当権抹消の手順は5つ!!
自分で抵当権を抹消する手続きは5つの流れが必要です。一つずつ見ていきましょう。
抵当権抹消に要する費用はどれくらいでしょうか?
抵当権抹消登記手続きに必要な費用は、大きく3種類あります。
- 登録免許税:抵当権抹消登記を申請するときにかかる税金になります。不動産1件につき1,000円と定められています。そのため、土地・建物それぞれにかかり、土地が2筆以上の場合は、その分登録免許税もかかることになります。
- 登記情報費用:登記情報を確認するためにかかる費用です。司法書士に登記手続きを委任すると、登記手続前及び登記手続後に不動産の登記内容を確認します。前後、2通分の登記情報等の費用がかかってきます。登記事項証明書についても直接窓口で手続きする際は、1通600円です。オンラインの登記情報提供サービスでは、1通334円になります。なお、自分で登記手続きをする場合も抵当権が抹消されているかの確認はした方がいいので、登記情報は確認しましょう。
- 司法書士報酬:司法書士に依頼した場合、司法書士の報酬がかかります。抵当権抹消費用の相場としては、1万円~1万5千円くらいでしょう。
1.管轄の法務局を調べる
まず、自分で抵当権抹消を行う場合は、抵当権を抹消したい不動産を管轄する法務局がどこかを調べましょう。インタネットで検索するとすぐ出てきます。
2.金融機関から書類を受け取ります
①弁済証書(ローンの完済されたことを証明する書類)です。抵当権解除証書など金融機関によって名称が違う書類であることもあります。
②登記済証または登記識別情報(抵当権設定時に、金融機関に交付される書類)
③登記事項証明書(借入先の金融機関の登記事項証明。有効期限3ヶ月以内のもの)
④委任状(金融機関が、抵当権抹消に関する手続きを委任するものです)
3.申請書をダウンロードして記入する
法務局のホームページから「登記申請書」をダウンロードしましょう。なお、法務局で受け取ることも可能です。記載例は、下記の通りです。
4.法務局へ申請
金融機関からの書類と自分で記入した登記申請書を持って法務局に申請に行きましょう。申請は郵送でもできますが、自分でやる場合は、窓口に持っていくと分からないことがあった時、聞けるので持って行った方がいいです。
書類の審査をへて登記が完了するまでの期間は、法務局によってばらつきがあります。特に書類の不備などがなければ、約1週間〜10日程度で完了となります。