フリーレントとは!?デメリットはあるのか?

フリーレントとは?

フリーレントとは、賃貸において、入居後に一定期間賃料が発生しない物件のことをいいます。一般的には、賃貸物件で「フリーレント1ヶ月」「フリーレント2ヶ月」といったような表示がされます。例えば、フリーレント1ヶ月だと2年契約のうち最初の1ヶ月の家賃が無料ということになります。

スーモなどの賃貸情報では、こだわり条件で「フリーレント」の項目があるように現在の賃貸市場で一般消費者にも馴染んできています。

フリーレントの歴史

フリーレントは、当初事務所などのオフィス賃貸で始まったシステムです。オフィス賃貸は、住宅と比較して賃料が高く、また室内を手を加えたりするために移転ができるまで時間がかかってしまいます。

そこで「現在の事務所賃料」と「移転先の事務所賃料」の二重払いの期間が発生してしまうため、フリーレントを利用しようというシステムです。これによって、お得感が出て、競合物件と差別化が図られていったということです。

フリーレントは、都内で大型オフィスビルの供給が増えた2002年~2003年頃に増えていった手法です。

フリーレントのメリット・デメリット

フリーレントのメリットは、初期費用が抑えられるということです。賃貸の契約をする場合、初期費用として、「敷金」「礼金」「賃料の前払い」「仲介手数料」「火災保険」「引越費用」「家電・家具」などがの費用がかかってきます。物件によって異なりますが、初期費用で賃料の4~5カ月分くらいかかります。そのため、初期費用がネックになることも少なくありません。

フリーレントのデメリットを見ていきます。フリーレントは、一見短い期間借りる場合、お得に感じます。しかし、オーナーは通常フリーレントをつける場合、例えば「2年契約の契約期間内に解約した場合、賃料1ヶ月分の違約金が発生します。」といった違約条項が入っていることが一般的です。契約内容を十分に確認しましょう。

なぜオーナーは、賃料を下げずにフリーレントを使うのか?

オーナーは、単純に賃料を下げることを嫌います。これには、2つの理由があります。1つ目は、空室を避けるために賃料を下げると既に入居している入居者からクレームや賃料減額の話がくる可能性があるためです。不公平感が出てしまうため、オーナーも気を使うということです。

2つ目です。現在、投資用不動産を売却する場合、年間賃料を売買価格で割った「表面利回り」が基準となります。所有者は、この表面利回りを下げたくないのです。具体例を出してご説明します。

賃料相場が、9万円の物件で、①相場賃料9万円で貸した場合、②相場賃料より高い9.5万円で貸してフリーレントを1ヶ月付けた場合を比べてみます。共に売却する場合は、満室表面利回り7%が相場だとします。

①月額9万円×12か月÷7%≒売却価格15,428,571円

②月額9万5千円×12か月÷7%≒売却価格16,285,714円

この場合、入居者が1年入居したと仮定して、①は満室想定収入108万円の年間収入に対して、②は満室想定収入104万5千円の年間収入です。しかし、表面利回りを規準とすると②の方が高値を追求できるということになります。そのため、売却を想定した場合、フリーレントを巧みに使うことが好まれます。

レントホリデーって何?

フリーレントを利用する理由の一つに売却価格を高くみせるためというものがありました。不動産ファンドなどは、保有する事務所や店舗の賃料を高く見せるために、レントホリデー傾斜家賃を使うこともあります。

レントホリデーとは、契約当初の数年間、毎年1ヶ月程度の賃料を無料にするというものです。傾斜家賃とは、契約当初は安い賃料として、契約期間の経過とともに一定の賃料まで値上げしていき、最終的に既存テナントと同じ賃料にしていくものです。店舗で新規出店などで最初に売上が読めない時期がある場合等にみることがあります。