正直不動産から学ぶNO5「欠陥マンション」

正直不動産 4巻 欠陥マンション

正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の4巻で出てくる欠陥マンションについてです。

導入:欠陥マンションとは?

  • 欠陥住宅とは、建築基準法や契約内容に違反し、重大な問題を抱えた住宅のこと
  • 目に見えない問題も多く、購入後に気づくと修復費用がかさむリスクあり
  • 事前の確認と適切な対策が欠陥住宅を避けるカギ

欠陥住宅の主な特徴と症状

  • 構造上の問題(耐震・耐久性):鉄筋の不足、手抜き工事による耐震性が足りない物件。床の傾きやひび割れが発生している物件
  • 水回り・断熱の欠陥:雨漏り(施工不良)、水漏れ(施工ミス・素材の劣化)
  • 法律・規制違反:建築基準法違反(検査済証を取得していない物件、検査済証を取得後に例えば1階駐車場を店舗にするなどの用途違反)

欠陥住宅をつかまないためのチェックポイント

  • 購入前のチェック:施工会社や売主の評判を調べる(口コミ・過去の施工実績)、重要事項説明書・設計図書を確認・検査済証の有無の確認
  • 内見時に確認すべきポイント:床の傾き(ビー玉転がす)、壁のひび割れ、雨漏りの確認(シミがないか)、ドアや窓の開閉がスムーズか
  • 中古物件の場合の注意点:契約不適合責任を付けてもらう。修繕履歴を確認する。

欠陥住宅を購入してしまった場合の対応策

  • 契約内容の確認:契約不適合責任で補償を得られるか確認
  • 法的措置の検討:売主や施工会社が対応しない場合は弁護士に相談
  • リフォーム補修の検討:欠陥が軽微なものであれば補修・リフォームを検討(費用負担を施工会社と協議することを忘れず)

実際にあった欠陥マンション 3例

パークシティLaLa横浜(2007年問題発覚)

パークシティLaLa横浜は、三井不動産が販売した大型マンションです。買施工は鹿島建設。問題点は、基礎工事の際に使用された杭が地盤まで届いておらず建物が傾きました。住民が三井不動産・鹿島建設を訴え全棟建替えとなりました。

グランドステージ藤沢(2005年問題発覚)

グランドステージ藤沢は、2005年に発覚した耐震強度偽装事件の中心的な物件の一つです。販売会社はヒューザー、設計は姉歯秀次元一級建築士です。

2005年、姉歯秀次元一級建築士による構造計算書の偽装が明らかになり、同氏が関与した複数の建物で耐震強度不足が指摘されました。その中でも、「グランドステージ藤沢」は耐震強度が特に低く、基準の15%程度しかないことが判明しました。住民の総意により建て替えが決定され、新たなマンション「ロワール湘南藤沢」として再出発しました。

レオパレス21の施工不良問題(2018年発覚)

レオパレス21の施工不良問題は、同社が建設・管理する賃貸アパートで建築基準法違反や施工ミスが多数発覚し、全国的な問題となった事件です。レオパレス21の一部物件で界壁(防火・遮音のための壁)の施工不良が発覚しました。その後の調査で、天井裏の耐火材不足、断熱材の欠陥、建築基準法違反などが判明し、2019年、さらに全国1324棟のアパートで違法施工が確認されました。入居者に対し退去勧告を行い、改修工事を進める。