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論文式試験の合格率は参考にならない理由
こんにちは。本日は、論文式試験の合格率は参考にならない理由についてお話をしていきます。平成30年度の論文式試験の合格率は14.8%と公表されています。しかし、実質の合格率は異なります。詳細について見ていきましょう。
論文式試験の合格率の推移
下記は、公表されている過去10年間の論文式試験の合格率の推移になります。データでは、おおむね10%~15%以内の集約されていることになります。これだけ見ると、7~8人に1人合格ということで、そこまで合格率の低さを感じることはありません。
- 平成30年(2018年):14.8%
- 平成29年(2017年):14.5%
- 平成28年(2016年):14.5%
- 平成27年(2015年):14.2%
- 平成26年(2014年):11.3%
- 平成25年(2013年):12.1%
- 平成24年(2012年):11.4%
- 平成23年(2011年):11.3%
- 平成22年(2010年):9.4%
- 平成21年(2009年):10.1%
論文式試験の合格率の求め方
論文式試験の合格率の求め方は、どのようにしているのでしょうか。これは、合格者を受験者数で割ることによって求めています。例えば、平成30年のデータを基にして考えてみましょう。
- 短答式試験申込者数:2273名
- 短答式試験受験者数:1751名
- 合格者数:584名
- 合格率33.4%(584/1751)
- 論文式試験申込者数:1268名
- 論文式受験者数:789名
- 合格者数:117名
- 合格率:14.8%(117/789)
なぜ「公表している合格率」と「実質合格率」に差が大きいのか?
難しい試験であるが故に数字に反映されにくいデータがあることを忘れてはいけません。私が感じている3つの除外ポイントについて説明していきます。
1つ目です。まず、勉強を開始して不動産鑑定士試験の申し込みをするまでに挫折する人がかなりいます。私は、予備校に通って勉強しましたが、最初、教室での受験者がどんどん減っていきます。ここについては、全くデータに出てきません。
2つ目です。論文式試験に申込をしている人が1268名います。しかし、論文式試験に来ない人がいます。これは、私も1年目は短答式試験の勉強しかしなかったため、論文式試験を受けにこようか迷いました。結果、場の雰囲気を感じたいために受験しましたが、最初から今年は論文式試験を受けるのやめようという方もそれなりにいます。
3つ目です。論文式試験は3日間あります。1日目の午前中は民法です。午後は経済学です。2日目午前は会計学で、午後は鑑定理論と進んでいきます。1日目の民法でできなかったと判断した人は、午後の経済学を受けずに帰ってしまいます。1日目の午後の経済学が出来なかった人は、2日目から来ないです。本当!?と思うかもしれませんが、試験が進むにつれて回りの席の空席が増えていきますので、間違いないでしょう。
論文式試験の申込者数が1268名に対して、受験者数が789名と約40%については上記の2つ目と3つ目の理由で論文式試験を3日目まで完走しなかった人達です。過酷さが数字に表れています。
私が考える勝手な実質合格率
私が考える勝手な実質合格率です。こんなイメージでないかなということで参考になればと思います。私が言いたいことは、公表されている数字以上に実質的な合格率は低いんですよということを分かった貰えたらと思っています。
- 短答式試験申込数:2273人
- 短答式試験受験数:1751人
- 論文式試験申込数:1268名
- 論文式試験受験数:789名
- 論文式合格数:117名
- 鑑定士試験申込者に対する論文合格率:5.1%(117/2273)
- 公表されている論文合格率:14.8%(117/789)
- 本当の実質論文合格率:9.2%(117/1268)
なお、私の勝手な推測ですが、少なくても短答式試験申込者の2倍は、鑑定士を目指して勉強している人がいると思います。私が予備校に通っていた時も、最初が一番教室に来る人が減っていた記憶があります。勉強開始時における人数は約5000人と仮定した場合は、鑑定士の勉強した人に対する論文合格率は2.3%です。
どう考えても大変ということですね。論文式試験は甘く考えず勉強していきましょう。