メタバースって最初に出てきたのって、
いつどんな作品なのでしょうか!?
こんな疑問にお答えします。
もくじ
スノウ・クラッシュとは?
※本記事は作品を解説しているため、一部ネタバレになる部分があります。ご了承ください。
【作品】スノウ・クラッシュとは?
「スノウ・クラッシュ(Snow Crash)」は、1992年に発表されたアメリカのSF作家、ニール・スティーヴンスン(Neal Stepheson)の小説で、メタバースの原典と言われています。
日本では、1998年にアスキーから出版され、2001年早川書房から文庫本が出版されました。その後絶版となり、入手困難な状況になり、中古市場ではプレミアムが付いて売買されていました。2021年にフェイスブック社がメタに社名変更したタイミングで、メタバースに注目が集まったこともあり、2022年1月に文庫本が復刊されました。
スノウ・クラッシュは、仮想の三次元空間を意味する「メタバース」という言葉と「アバター」という言葉を作ったことで知られています。
また、アメリカ国内でも高く評価されており、「タイム」誌が発表した「1923年以降に英語で出版された小説ベスト100」に選出されています。
【作者】ニール・スティーヴンスンとは!?
ニール・スティーヴンスン(Neal Stepheson)は、1953年10月生まれのアメリカ人小説家です。大学で物理学を専門に勉強し、途中から地理学に専門を切り替えています。
「スノウ・クラッシュ」以外に、「ダイヤモンド・エイジ」と「クリプトノミコン」が有名で、共に絶版になっていたが、復刊されました。
あらすじ、解説
【舞台設定】高速ピザ配達は、特権階級!?
作品では、アメリカという国家は経済力が世界でも最低クラスになっており国家としての機能を喪失していた。あらゆるテクノロジーが国外に抽出し、世界の技術が均衡したせいである。その結果、アメリカ人がいま世界に誇れるのは4つだけになった
- 音楽
- 映画
- マイクロコード(ソフトウェア)
- 高速ピザ配達
国土はハーブクレイヴ(郊外都市国家)という小さな区画で仕切られ、フランチャイズ国家の集団で分割されています。誇れるもののうち、高速ピザ配達は特権階級として描かれています。
また、作品は仮想空間(メタバース)が現実に近い状態まで進んでいる設定で、ゴーグルとイヤホンを装着して仮想世界に入り、アバターで行動します。
メタバースは、全長65,536km
<ストリート>全体は、半径1万キロ余りの黒い球体の赤道部分をめぐる、巨大な遊歩道の体裁をとっている。球体の円周、つまり遊歩道の全長は65,536kmあって、地球の円周よりはるかに大きい設定となっています。
スノウクラッシュ 上巻より
メタバースは、全周65,536km、幅100mの道路に沿って開発された巨大都市です。メタバース上の土地は、認可を受ける必要があるが、土地を購入することができ、建物を建築することができます。
メタバースのストリートでは、中心を細いモノレールが走っています。また、256km間隔で設置された256か所のエクスプレスポートがあり。それぞれの距離が256kmずつ離れています。その間がさらに256に分けられ、1kmごとにローカルポートが設置されています。こうしたポートは飛行場のような機能を持っていて、他の世界からメタバースに立ち寄る際の場所となっています。
地球の赤道付近の円周が4万77kmですので、作品上のメタバースの全長が65,536kmだと、メタバースの世界の方が大きいことがわかります。
あらすじ・解説
- 【主人公】ヒロ・プロタゴニスト:フリーランス・ハッカー。剣士・ピザの配達人
- Y・T:RadiKS(ラディカル・クーリエ・システムズ社)の特急屋
- ヴィタリ・チェルノブイリ:ヒロの同居人
- アンクル・エンゾ:ユーザノストラ・ピザ株式会社及びフランチャイズ国家代表
- Da5id・マイヤー:ブラック・サンのオーナー。
- ジャニータ・マーケス:ヒロの元恋人。
ピザ配達人である主人公ヒロは、配達期限が切れるピザをYTに預け、トラブルを回避します。ヒロはメタバースにおける剣士という別の顔がありました。彼は、自宅の6m×9mの部屋からメタバースにアクセスします。
ストリートにあるブラック・サンの前で、モノクロアバターの男からドラッグ「スノウ・クラッシュ」を勧められます。ヒロは受け取りを断り、Da5idは所有していました。スノウ・クラッシュをめぐる複雑に絡み合う事件にまきこまれていきます!!
スノークラッシュから影響を受けた「Oculus創業者」
スノー・クラッシュは、現在の業界有名人に影響を与えています。VRハードウェア開発会社であるOculusの創業者であるパルマ―・ラッキー氏はその一人です。パルマ―・ラッキーは米タイム誌の取材で、少年時代の愛読書としてスノウ・クラッシュをあげています。
パルマ―・ラッキー氏はVR開発に注力し、2014年にOculus社はFacebook社に買収されます。今、VRと言えば、Oculusというくらい有名ですね。
感想・口コミ
上下巻読んだ感想としては、最近書かれたような小説だなと感じました。ニール・スティーヴンスンは、スノウ・クラッシュを1992年に書いているわけですから、当然メタバースやアバターという概念はありません。そんな中でどのようにしてゼロから生み出したのか不思議でしょうがいないです。未来を予見していたと言えるでしょう。
また、日本が関係する話もいくつか出てくるので、日本人には読みやすいのではないかと思いました。
スノークラッシュの紹介
電子書籍・KINDLEもいいですが、紙の本は表紙メタバースらしさがでてカッコいいです。