土地転売禁止の理由
現在、不動産取引の中で転売行為は、一定数見られます。特に不動産相場が上昇している時期によく見られるものです。土地転売は、違法なのでしょうか!?法律上厳密に禁止されてはいません。しかし、原則的には土地は転売すべきではありません。本日は、土地基本法という法律について見ていこうと思います。
土地基本法 第四条 投機的取引の抑制
土地は、投機的取引の対象とされてはならない。
なぜ、土地は投機的取引の対象とされてはならないのか!?
平成元年に土地基本法という法律が制定されます。平成元年は、バブルの時代です。東京都を中心に地価が高騰し、全国に広がりました。それは、国民の住宅取得を困難にし、社会資本整備に支障を及ぼすとともに、土地を持つ人と持たない人との資産格差を拡大し、社会的・経済的な問題が引き起りました。土地基本法は、これらの問題に対処するためのものです。
土地基本法では、土地についての基本理念の記載があります。土地は公共の福祉優先という考え方を示しています。土地は、他の一般の財とは異なり、国民のための限られた貴重な資源です。土地の特性にかんがみ、土地については、公共の福祉が優先されるべきものであり、具体的には、土地の取得、利用、処分等については、公共の福祉のため、土地の特性に応じた制限や負担が課されるべきとされています。