もくじ
共有物分割:知っておくべき基礎知識
正直不動産では、不動産業界の歪みや不動産取引の怖い点を解説していると思います。そんな不動産の注意点・問題点について解説していきます。今回は、正直不動産の16巻で出てくる共有物分割請求についてです。
共有名義の不動産を相続したり、家族で土地を共同購入した後に、「売りたいのに相手が反対する」「使用方法でもめている」といった悩みはありませんか?そんなときに使える法的手段が「共有物分割請求」です。
この記事では、共有物分割請求の意味や方法、注意点を初心者にもわかりやすく解説します。
共有物分割請求とは?
共有物分割請求とは、複数人で共有している財産を、それぞれが単独で所有できる形に分けてほしいと請求することです。
たとえば、親から相続した土地を兄弟3人で共有している場合に、「自分の持ち分を現金化したい」「土地を売却したいけど他の共有者が応じてくれない」といったケースで活用されます。
共有物分割の3つの方法
- 現物分割(物理的に分ける):土地をAさん、Bさんで半分ずつに分けるといった方法です。可能な場合は最もシンプルですが、形状や用途により不可能な場合もあります。
- 代償分割:Aさんが不動産を単独で取得し、その代わりにBさんへ金銭(代償金)を支払う方法です。「誰かが不動産を使い続けたい」場合によく選ばれます。
- 競売による分割:話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に申し立て、不動産を強制的に売却(競売)し、売却代金を分配します。ただし、通常の市場価格より低く売れることが多いため、あまり望ましくない方法です。
手続きの流れ
- 共有者間で協議(話し合い)
- 協議がまとまらない場合、家庭裁判所に共有物分割調停を申し立てる
- 調停でも合意に至らない場合は、審判(裁判官の判断)へ移行
注意点
- 持分割合に応じて判断される:たとえば、Aさんが3分の2、Bさんが3分の1の共有持分なら、Aさんの意見が優先されやすくなります。
- 共有者の1人でも分割請求が可能:他の共有者の同意がなくても請求できます。
- 相続トラブルや感情的な対立が起きやすいため、専門家のサポートが重要です。
共有物分割請求をする前に
共有物分割請求は、家族や親族との関係を悪化させる可能性もあるため、慎重に検討することが必要です。以下のようなサポートを受けると安心です。
- 不動産に詳しい弁護士
- 不動産会社や不動産鑑定士による査定
- 相続や共有関係に詳しい司法書士
よくある質問(FAQ)
まとめ
項目 | 内容 |
対象 | 共有名義の不動産など |
項目 | 現物分割・代償分割・競売 |
利点 | 単独所有や現金化が可能になる |
注意点 | 共有者同士の対立リスク、競売の減額 |