コロナで不動産取引は減ったのでしょうか!?
本日はこういった疑問にお答えします。
もくじ
コロナで不動産取引は減ったのか!?
土地取引規制基礎調査概況調査とは!?
土地取引規制基礎調査概況調査とは、全国の市区町村を対象に、土地取引動向の概況を把握するための調査です。 登記情報に基づき、毎年1月から12月の間に全国で取引された「土地の総件数」や「総面積の動向」を把握しています。
今回は、土地取引規制基礎調査概況調査のうち、土地の取引総件数のデータを使ってコロナ禍で不動産取引は減ったのかを検証していきたいと思います。
2020年緊急事態宣言は期間はいつからいつまでだったか!?
緊急事態宣言中に不動産取引は減ったのか!?
全国で見る2020年4月・5月の土地取引量
下記の表は、国交省が開示している土地取引規制基礎調査概況調査のうち2020年と2019年の全国の土地取引件数です。緊急事態宣言2020年4月7日~5月31日でした。そのため、2点の検証をしてみようと思います。
1つは、2020年4月、5月は、2020年の他の月と比べて取引量が多いか、少ないか。2つ目は、2020年4月、5月は、2019年4月、5月と比べて取引量が多いか、少ないかを見ていきたいと思います。
- 全国土地取引件数2020年4月:116,972件、5月:93,294件
- 全国土地取引件数2019年4月:125,895件、5月:117,066件
2020年4月の土地取引件数は116,972件、5月の土地取引件数は93,294件というデータでした。直近の2020年1月は97,437件、2月は114,951件、3月169,553件です。しかし、コロナ前と比較するとおおまかに約10%くらい少ないのかなという印象です。なお、不動産取引の減少は4月より5月に影響が大きかったことがわかります。
2019年4月の土地取引件数は125,895件、5月の土地取引件数は117,066件です。前年同月比から見てもおおまかに約10%くらいは減少していることがわかります。
つまり、2020年4月・5月は、不動産取引がある月にもかかわらず、通常時と比較して約10%取引件数が少ないため、コロナの影響は少なからずあったものと考えられます。
1都3県の2020年4月・5月の土地取引量
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県の2020年4月・5月の土地取引件数のデータは下記の通りです。1都3県すべてで2020年4月・5月の取引量が少なかったことがわかります。
東京都の土地取引件数:2020年4月15,938件、5月12,346件
神奈川県の土地取引件数:2020年4月3,119件、5月2,821件
千葉県の土地取引件数:2020年4月5,368件、5月4,405件
埼玉県の土地取引件数:2020年4月5,474件、5月4,223件
大阪、兵庫、福岡の2020年4月・5月の土地取引量
大阪府、兵庫県、福岡県の2020年4月・5月の土地取引件数のデータは下記の通りです。2020年4月・5月の取引量が少なかったことがわかります。
大阪府の土地取引件数:2020年4月4,158件、5月3,126件
兵庫県の土地取引件数:2020年4月3,269件、5月2,794件
福岡県の土地取引件数:2020年4月2,036件、5月1,751件
不動産取引は、現場ではどういう感触だったか!?
緊急事態宣言が発令された2020年4月、5月は、どの地域においてもデータからはおおむね約10%前後の取引件数が少ないことがわかりました。不動産売買の現場にいると体感としては、この2か月間は約20%~30%くらい減っている感覚でした。
また、どの地域についても4月より5月の方が一段と取引量が少ないです。これは、4月に取引している物件はそれ以前から動けていたものの5月に取引した物件は4月も動けなかったこともあり、一層の取引減となったものと思われます。
2020年4月7日、特措法第32条第1項に基づき緊急事態宣言を発表した。